田野浦にとどかない 姫島〜新門司マリーナ

　今日は沈殿日だと，いつも通りに目が覚めたにも関わらず，惰眠をむさぼっていた。岸壁から声がかかる。

「出ようや。」

『sannaviki』艇長は，昨日，いくら聞き直しても連泊だと言っていたのにねぇ…僕は最終決定はやっぱり明朝でしょうと言っていたのがはからずも立証されたわけだ。

　朝飯も食わずに出た。ヨット旅のルーティンにしているだけで，別に問題ではない。大事なのは排泄だよ，これは我慢できないからね。

　海面が見える明るさになってから出港した。ホンダ君には絡まれたくない。

『sannaviki』も快走ですね。

って思っているのもこの時だけ。真上り，バウが頻繁に海面を叩く。お辞儀するほどではないからまだマシだ。

　昨夜麦茶を沸かした。冷めてから2Lジャグに入れてある。水分を多めに摂っているとほぼ持病のメニエル症状が出ないのだよ。

　予報通りに風が上がってきた。定番の真上り15〜6ktか。タックして進む気なんてさらさらない，シバーするメインを下ろし，ほんまもんの機走だ。

　係の人が桟橋で待っていてくれました，ありがとうございます。

　2バース分使用可なので反対側からも舫を取る。相変わらず西風が強い。

　昨日ホンダ君に絡まれても潜ったのにペットボトル2L分の水浴びしかしていない。先ずはシャワーだ。

　シャワー後は，

「浮き桟橋は楽だねぇ」

と言いながら到着ビールだ。

　シャワーしながら足で踏んだ（内緒にしておくれ」。なんとなくきれいにはなっただろう。

　7年前『風々』を舞鶴から佐野まで回航した（僕は温泉津からだが）。その時に戸畑でお世話になったMさんとはその後やり取りがある。2年前寄港した時も飲んだ仲だ。

　今回も車をとばしてやってきてくれた。当然街並みはできないのでヨット飲み，ヨット泊をリクエストしておく。

　門司まで惣菜の買い出し，『sannaviki』艇長の大盤振る舞いで（支払いは）任しとけは心強い限りだ。

　禁酒を誓った『sannaviki』艇長の前で，僕たち2人はそれなりにやったのだよ。

　おやすみなさい…

姫島発　05:20

新門司マリーナ着　12:45（35NM）