暑い夜だった。風はそよとも吹かない。蚊取り線香は4セットも用意したので,それなりに効果を発揮している。実は蚊の攻撃は夜中よりは蚊取り線香が消えてしまう明け方に多い。いまさら新しいのん点けるのんもなぁと眠い頭で考えていると,プーンとやってくる。
各艇で各自朝食を摂って予定通りに出港した。
今日は瀬戸大橋をくぐる。瀬戸内の島を見ながらのクルージンが楽しいであろうことは予想されるが,昨日は買い出しもできなかったので大好きなスパークリングウォーターの補充ができていないのが寂しい。
冷蔵庫でキンキンに冷やした2Lのペットボトルの水をまだ半分以上氷が解けないで残っているクーラーボックスに移した。やや満足。
8時過ぎにようやく潮流に乗り艇速6ノットを越えた。瀬戸内のクルージングはエンジンが主体,セーリングに終止したいなら目的地を設定しないことだ。
小豆島の北を走っている所で,『Blue Lagoon』艇長からVHFコール。航路予定を聞かれたので,豊島・井島間を南下して,直島・柏島間を西に通過後,久須美鼻を目指してそのまま西進,瀬戸大橋をくぐり,六口島北を通過して水島灘を突っ切って白石島と連絡する。瀬戸大橋を越えてからは水島からの本船に要注意だ。
前方の島を目指してひたすら進む。近づくと見覚えのある島の風景に出会う。縦島を北から回り(『Blue Lagoon』と『Bonanza』は左から),白石島の新港に入る。ここは南からのアプローチはご法度で東から真横に入らないとオン・ザ・ロックしてしまう。2010年に北木島に立ち寄った時に(ゆうこうマリンの)コリンさんに絵入りで教えてもらった。
原田さんに連絡を入れる。空いてればどこに停めてもいいらしい。
西端の長いポンツーンの北側にヨットが停泊している。ハッチが開いているのでどうやら人はいるらしい。詰めれば僕の艇が入りそうだと近づいて声をかけるが応答はない。ポンツーンに寄り添うように艇を入れたが,ギリギリのスペースに停めるのも無粋だとバックして離れ,真ん中のでかい浮き桟橋に着けた。
『Blue Lagoon』が入港してきて,再度声をかけるがやはり応答なし。アスターンをかけた時に異音が聞こえた。その後,ペラが回らない。ロープが絡んだ?取り敢えず自艇を中央の浮桟橋に着け,様子を聞く。『Bonanza』からロープを投げるように言うが,『Blue Lagoon』艇長は,やおら櫂を手に持ち,漕ぎ出した。艇は何事もなかったかのように僕のヨットに横付けされた!素晴らしい!!
そうこうしていると先ほどのヨットの主が現れた。僕の前に停めているボートを移動すればもう1艇停められるから動かせばと言ってくる。ボート船主の留守の間にそれはできない。もっともらしく助言をするんなら,あんたが少し前に詰めればもう1艇楽々と停められるのに…話だけを丁重に聞いておいた。おまけにこの人,後ほど自分のブログに「ぶつけられた」と書いている。そんなわけないだろう,『BlueLagoon』のシャフトトラブル(後述)で大きな音がしただけだ。
ボートの主が白石島でのレジャーを終えたのか出ていった。
『Blue Lagoon』を横抱きしたまま,僕の艇をそこに移動する。『Bonanza』はさきほど僕の停めていたところに舫を取って終了。
一息ついてから,『Blue Lagoon』の不具合の原因を確かめる。ニュートラルから前進に入れると異音,後進では異音はなぜかしない。
電話をかけ,松山の池川さんからアドバイスを得た。こんなところに『Blue Lagoon』艇長の人脈が生きている。原因はエンジンとシャフトをつなぐカップリングの破損だった。カップリングに関しては『Bonanza』艇長が空調関係の工事をしていた時に何度か同一状のカップリングを扱っていたらしく,「間に何かかまして,ばか穴開けてボルトでつなぐ」と見事に初期対策を言い当てた。
2~3時間ほどかけていろいろと様子を見るが,部品を買い足す必要があるようだ。泉佐野の『Wiz of Oz』艇長のアドバイスが的を得ていて見通しはついた。
島の反対側の浜で民宿をやっている『さんちゃん』に電話を入れる。軽トラで迎えに来てくれた。
風呂に生ビール。たまらない贅沢だった。
明日は鉄工所での工作依頼をしないといけない。笠岡には2軒あるらしい。明日は笠岡に上陸だ。予期せぬ出来事が楽しく感じられた夜だった。
坂越漁港発 06:00
白石島新港着 15:30
エンジン回転2500rpm以下でのんびり行く。それ以上回すとうるさくて楽しみが半減する。『Bonanza』は3000rpm,『Blue Lagoon』は2700rpmぐらいか。
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