友水へは逆潮なので,明石の西北西流に乗って瀬戸内海に入るのが正しい選択だ。湊まで行ければいいが,別に富島でもいい。久しぶりに明石でもいいななんて考えていると,たこ焼きで一杯の構図で,頭の中が「いっぱい」になってしまった。
泉大津の『BlueLagoon』さんは,僕がようやく家を出た6時半頃に出港したようだ。きっとセーリングを楽しんでいるだろうなあ。
僕は『BonanzaII』さんと9時出港の予定。明石海峡大橋通過で最強流に乗る予定だからのんびりしている。
ジブを修理に出している『BonanzaII』艇に僕の予備ジブを取り付ける。さあ,出港と行きたいが,『BonanzaII』艇のエンジンがかからない。バッテリーがすっかり上がってしまっているようだ。拙艇に乗り込んで彼と久しぶりのダブルハンドを楽しむ。
気持ちよく走っているところに,国際VHFで「ヨージィ,ヨージィ」とコールがかかる。聞き間違いか?またかかってくる。相手は大阪マーチスだった。大阪湾のど真ん中にある海苔網にご注意くださいとのこと。針路はそれの南端をかすめるように取っているが念のためだろう。行き先を告げると明石海峡大橋の北側を航行してください,漁船が操業中なのでご注意くださいとのことだった。お仕事お疲れ様です,ありがとうございます。
だんだん真上りになってきてそのうちに風が落ちてくる,いつものクルージングパターンがまた再現された。
海峡大橋を越えたところで,『BlueLagoon』さんに無線を入れる。もう,着岸し終わったとのことだった。僕たちはあと2マイル30分後には着けるだろう。
赤灯を右に見て港内を右に折れると砂利置き場がある。そこに,ビールを片手にこちらに合図を送っている『BlueLagoon』艇がいた。風向きが悪く岸壁に押さえつけられているので,対岸への着岸を勧めて,僕たちは先に旧フェリー乗り場横の岸壁に着けた。『BlueLagoon』艇も回ってきて,『BonanzaII』さんが舫を取る。
早速ビールを差し出すのは『BlueLagoon』艇長。ごちそうさまです。半分ぐらい飲んだところで自艇の吃水を見るとやっぱりフジツボがびっしりと付いている。港内の水は泉佐野よりよっぽどきれいだ。まだ時間も早いし,監視役がいるところで船底掃除も悪くない。ビールを取るか掃除を取るか。
海水温はまだまだ高い。入っても冷やりともしない。靴底で吃水辺りを蹴るとボロボロと海中にフジツボが落ちていく。が,吃水線だけに付いているのではなさそうだ。『BlueLagoon』さんが貸してくれた長い柄付きのスクレーパーで擦ると底までガリガリと音がする。船底全面に付いているのに間違いはない。こうなるとシュノーケルとマスクを付けて本気でやらないといけない。一気にやると海水が白く濁って待たないと作業ができないほど付いている。借りたスクレーパーのおかげで潜らずにすんだのはありがたいことだ。これはやっぱり僕も備品の一つとして用意しておかないといけないなあ。小一時間やってどうやらあらかた落とすことができた。
岸壁で釣りをしている人に,オススメのたこ焼きの店を尋ねる。候補の一つとして覚えておいたが,結局その店に入って熱々をビール,いや,出汁で流し込む。お次は向かいにある立ち飲み焼肉屋に直行したかったが,ここはぐっと我慢してまずは銭湯で熱い湯に浸かるのがいい。
リフレッシュしてモード全開で件の焼肉屋に直行する。生中3杯にハイボール1杯がすぐに異次元に消える。
一旦ヨットに戻るが,『BonanzaII』さんは寝てしまった。隣の『BlueLagoon』艇には灯が見えない。舫を引っ張って岸壁に這い上がり,あらたに飲み直すんだ。
数年前に『Sabaay』艇長から教えてもらった店に行く。
ラガーを頼んだら,キリンが出てきた。
「あっ,赤星の…」
店の兄ちゃんは栓を抜いてしまっている。
「それでいいですよ」
と言うと,
「いやいや,ちょうど後輩が来ているのでそいつに回す」
新たに赤星を開けてくれた。ありがとうございます。
店内ではラグビーの中継をやっている。そうや,『BlueLagoon』艇でそれを観るんやった。思い出したかのように港に戻る。
寝ていた『BonanzaII』さんも起きたようや。おっさん,いやおじんか,3人でバレンタインをやりながら,ラグビー中継とはなかなかのシュチエーションや。
さんざん酔ったらおやすみなさい…
佐野漁港発 09:20
明石港着 13:50
いい風が吹いている。沖に見えるのは『風々』艇。気持ちよくヒールしていますね。
2艇が限界かな。岸壁下部がえぐれているので大潮の時は注意が必要。
銭湯も比較的近くにあります。いい湯でした。
『魚の棚』ですが,玉子焼き(明石焼,たこ焼き)の店が増えたような気がする。魚の店が減ったのかな。
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