とりあえず帰る

　去年ここに停泊した時はビジターバースに一番近い公衆便所が使えないとの連絡があり（わかやま館は取り壊し中だからそれに伴う閉鎖だろうか），ホテル側のバースに停めてホテルのトイレをご利用くださいと勧められた。はたして今年もそうであった。これはなかなか便利だ。

　ホテルの中庭からはこんな風に見える。

　リモコンケーブルの具合を確かめながら走り出す。マリーナ内でも異常はなかった。
　徳島方向へはアビームでの心地よいセーリングを期待していたが，風がさっぱりだ。念のためエンジンルームを確認すると，うっすらとオイルの滲みがペーパーウエスに広がっている。この風力で帆走するとなると何時間かかるか分からない。もちろん機帆走になるのだろうが果たしてオイルの漏れ具合はひどくなるのだろうか…あっさり帰港を選んだ。

　加太瀬戸を抜けてしばらくすると風がシフトした。ようやくエンジンを切り，ジブを広げた。

　佐野漁港の出入港漁船優先時間帯にひっかかるのだから急いでも仕方がない。

　べたべたの海面だがウインドベーンのAirvaneにつけたリボンはなびいている。これに気をよくし（自分を誤魔化しか），帆走を続ける。

『LEIA』艇長から，「今日はセリがないので出入港は自由。」との連絡が入った。これで1時間早く帰港できることになった。

　岸壁からヨット仲間が，
「どないしたん？」

と聞いてくる。

「いえ，かくかくしかじか…」

　出てすぐに確認した時と量は変わっていないので少しホッとする。
『Wiz of Oz』からWi-Fiカメラを拝借して，心配な箇所，すなわちシャフトシール，オイルパンをiPhoneに映し出す。凹みを指でなぞるとオイルが付着する。

　これぐらいなら，しばらく様子を見よう…

『Wiz of Oz』艇長，アドバイスありがとうございました。

和歌山マリーナシティ発　06:00

佐野漁港着　　　　　　　14:20（34.39NM）