「今日はずっとええ風っぽいで。」
と本日はメンテナンスに徹するらしい『Bonanza II』艇長のありがたいお言葉を聞いて舫を解いた。
いつものように港口は風見が一定しない。この風ならセーリングで難なく出られると,船溜まりですでにジブも展開しているのに,風見は落ち着きのない動きで,とうとう逆ジブになってしまったじゃないか。赤灯を過ぎるとようやく風向は安定してきたが,風が弱くなっている。関空橋の向こうに煙突が見える。たしかさっきまでは,煙が横に流れていたはずだったのに…
ティラーを持ちながら唐突に枕草子に煙のことを書いている段があったはずだと記憶を辿る。ことさら馬鹿をさらけ出すこともないが,ブログの内容が貧弱なので更に続ける。
…まいてけむりのほそくたなびきたるはいとをかし
やったかなあ。
>紫だちたる雲のほそくたなびきたる
>まいて雁などのつらねたるが いと小さく見ゆるはいとをかし
>煙の残りたるは 今のよりもめでたし
↑がごちゃまぜになっているようだ(家で確認してよかったよ)。まあ古典・漢文の学習は中学時代にしかやっていないしねえ。何度か書いたことがあるが,高校(高専)で3年間に現国の教科書はたったの1冊しか使用していないし,社会科の地理に至っては,休講が何ヶ月か続いた後にようやく授業が始まったが,マッターホルンが如何にしてできたのか,実は氷河がこう削っていったのだという過程をノートに描いていただけだった(担当教授が山岳部の顧問だったからだと思っている)。
ほれ,まっすぐになってもうたやんか(真ん中橋脚の右の煙突),たなびいとらへんがな。
堺泉北臨海工業地帯の煙はたなびいておる。
なんじゃいな,この不甲斐なさ。
それでも1時間はねばったよ。
No comments:
Post a Comment