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Friday, May 17, 2019

着きました

 関空橋手前ではすごいラッシュだ。遠くから見ると横1列に並んでいるように見える。前日に泉佐野の『八点鐘』さんから作業船がいるとの情報を得ていたが,そのために警戒船が出ているのかなと思っていた。そうではなく,泉州の漁港から一斉に漁船が繰り出しているようだ。ほぼ1時間強それで悩まされる。
 そこを過ぎると急に静かになった。
 関空橋をくぐり,港へと急ぐ。
 佐野漁港の漁船優先時間帯(05:30〜06:30)にぶつからないようにする。なんとか5時ちょっと前にバースに舫う事ができた。
 ただいま~

 着きました。
 ほっとしますね。

 片付けは一旦家に帰ってから午後にでも出直すことにしよう。『攀丸』お疲れ様でした。みなさん,お疲れ様でした。

Thursday, May 16, 2019

紀伊水道に入る

 本船の灯りがずっと右舷前方に連なっている。この分だと航路がクロスするのは明るくなってからだと一安心する。
 ウインドベーンがだんだんあっちこっちを向くようになってきた。羽を大きい方にしたがやっぱり駄目だ。オーパイに頼ることにする。ベーンさん,ありがとうございました。
 それにしてもスピードが出ない。機帆走にしてからはずっと3〜4Kt台だ。ペラに絡んでいるのか?夕方に一度潜って調べてみたが,なんにも絡んでいない。
 加太瀬戸通過は南流の最強時。手前で少し速度を落として本船とのクロスに注意しながら通過する。

 いい朝日を拝むことができた。本船に気を使うことなく夜が明けた。これから紀伊水道に入っていく。

 だんだんウインドベーンがよたよたしてきた。寂しいなあ,もう少し付き合ってよね。

 おそらく今航海最後の夕日。毎日こんな夕日を見たかったなあとあんまり愚痴ばかり言ってちゃだめだね。

Wednesday, May 15, 2019

西へ

 朝方に西へ変針する。
 時間が合えば紀伊勝浦港に入港しようとも思っていたが,このままでは深夜になりそうなのでパスすることにした。本船航路は避けたいので,沿岸からかなり離れた位置から潮岬を回り込み,北上する予定だ。
 今まででいちばんいい天気だ。今夜こそ星空の下を快適にセーリングできるはずだ。
 夕方,今航海で初めてケンケンを流すが,「釣れた」のは,いや,正しくは「吊れた」のは2回ともホンダワラだけだった。
 予想通りの満天の星。最後になってようやく演出してくれました。往路と小笠原滞在中はさっぱり見ることができなかったからなあ。

 オッサン,寝とったらあかんで。青空,太陽…デッキでようやくくつろげる天候になってきた。

 飛行機を見上げるのも久しぶりだ。何度も書くが,青空が嬉しい。

 大量です。料理の仕方を教えてください。

 夕日が美しい。今晩はきっと空いっぱいに煌く星が見られるだろう。

Tuesday, May 14, 2019

これで晴れていれば最高なんだがね

 深夜から船の灯りが2時方向から5時方向へと動いていった。AISで船名を確認しておくが,貨物船ではない,タグだろうか。
 切り上がりすぎるのでセールをトリムする。
 明るくなってきたら,船体外部の点検をする。デッキに何か転がっている。小さなイカで,打ち上げられて間もないようだがすでに死んでいる。『Blue Lagoon』さんが「切れる包丁を」とこだわっているが,わざわざ刺し身包丁を出すほどのことはない。3人で分けると切り身はほんの僅かずつになるが,味はよかった。ごちそうさまでした。
 短波放送を受信できた。続いてNHK第1と第2も。
 このまま風は上がりそうだ。夕方,チョロジブ,3ポン(実質4ポン,リーフポイントは1.5,3,4に設定してある)にする。それでも5Kt以上をキープしている。

 目的地まで227.2nmはあっているが,106:24は誤表示だね。そんなにかかっちゃ困る。
かっとんでいるよ。

Monday, May 13, 2019

走っているよ

 帰路は毎朝7時頃に『Wiz of Oz』さんが,気象情報と黒潮の潮流情報を送ってくれる。コースはこのままでいいが,今日と明日はずいぶんと荒れそうだ。朝方に1ポンから2ポンに変更する。艇速は気持ちいいほど出ている。
 ウインドベーンのロープを確認すると,上部の毛羽立ちはそのあんまり変化なし,念のためにシリコンスプレーをかけておく。さらに,下部を覗いてびっくりした。ベーンの支柱との連結部分のロープは芯が見えている。今にも切れそうだ。3mmロープでプルージックにしてパルピットにつなぎ,シーブから支柱パイプ内に(切れた)ロープが吸収されるのを防いでおく。
 夕方になって少し海況が落ち着いたので,消耗した部分を避けて新たに連結しなおす。どうやら使用しているロープは普通のナイロンロープらしい。ダイニーマに変更する必要がある。帰港してからの宿題だ。

 夜が明けてきた。昨晩からいい調子で走っている。充電のためのエンジンをかける必要もなくなった。気持ちいいセーリング,静かなセーリング…おとなしい海ではなかったが。

Sunday, May 12, 2019

静かな走りが戻ってきた

 薄っすらと明るくなってきた。
 6時ぐらいに位置情報を『Wiz of Oz』さんに送る。7時過ぎには天気予報を伝えてくれる。非常に助かる。
 僕は早くペラの掃除をしたいが,もう少しの辛抱だ…いややっぱり我慢しきれずに潜る。ホンダワラの塊がペラとシャフトを覆っている。今度は1回で取れた。風はまだ弱く,ウインドベーンの出番はない。
 8時にワッチを交代した頃から少し吹いてきた。ホンダワラは潮流に乗っているかのように針路に沿ってずっとつながっている。ウインドベーンとセールで走っている限りは,ホンダワラが絡む心配もバッテリーの心配もない。
 14時過ぎに,全電源が落ちる。すぐに回復したが原因が分からない。
 また,落ちた。ロータリースイッチを回していると回復した?
 バッテリーケースを開けてみる。1本の黒いケーブルがフリーになっている。いつ,なぜ,外れた…蝶ネジで留めてあったのに…これがバッテリー充電の不具合?が,果たして本当にそうなのかは分からない。帰港後,徹底的に電源関係を調べて,配線のやり直しをするのがベストだろう。
 ケーブルを結線以降は,夜間電力確保のためのエンジン起動もする必要がなくなった。
 ヨットは快走,そして,往路とは段違いに静かなキャビンが心地よい。

 もう少し風があればなあ…なんて贅沢は言わない。フルメインにした。ペラを回さないだけで十分に楽しい。

 どんどん速くなってきた。6ノット台をキープしている。

 働き者です。ありがとう。

 夕方になってきたので,メインをリーフする。
艇速は変わらない。黒潮蛇行の北流に乗ったかな。

Saturday, May 11, 2019

帰ります オーバーナイト

 3時半に起きて各自「お勤め」を果たし,出港の準備をする。
 隣の『Green Sailing』さんが見送りに来てくれた。ありがとうございます。
 スターン側からの風。バウにフェンダーを集め岸壁との擦れ止めに使う。アスターンをかけ,風上すなわちスターンの舫を放すと艇はバウを中心に回転運動を描き,スターンを岸壁から遠ざける。いってこい舫が少々もたつき,『Green Sailing』さんが上手く処理してくれた。十分に離れたところでバウの舫を解放した。フェンダーを収納し,岸壁に手を振る。お世話になりました。できればもう少し滞在していろいろとお話をしたかったです。
 風は強くない。のっけから機帆走とは冴えないが,すぐそこに低気圧がやってきているので速やかに北上したほうがいい。この低気圧をやり過ごしてからの出港も考えたが,また後からすぐに同じような気圧配置になるようだ。昨日ギリギリまで考えた出した結果が今日の出港だ。
 16時前から強い雨が降り出した。もう低気圧の影響が出てきているのか。早いとこ黒潮に乗って脱出しよう。
 22時20分,ガツンときた。ほれみろいわんこっちゃない,ペラを回すとろくなことはない,特に夜はそうだ。頑固なホンダワラに絡まれたようで,アスターンをかけてみるが解消しない。放置して寝るに限る。さいわいヨットは0.5〜1.9Ktで北に流れている。

 父島を後にする。

Friday, May 10, 2019

ようやくゆっくりする

 今日で宿を引き上げる。最初の1日だけのつもりだったが,居心地の良さについつい甘えが出てしまった。
 昨日。山田さんからいただいた魚は絶品の煮付けとなって朝食に出してくれた。本当に美味しかった。
 海保の若い子がやって来る。動くようになった舵を披露する。(大阪に)着いたら写真添付メールを送ります。お世話になりました。
 僕はやっぱり洞窟が気になるので再訪する。『Bonanza II』さんと『Blue Lagoon』さんは見晴台へ登りに行った。
『KAIZIN』の山田さんにも挨拶に行く。次回は自力で来ますね。
 小笠原支庁に出港届けを出さないといけないが,電話をかけると向こうで代筆してくるとのことだった。ありがとうございます。
 菅野さんにもお礼の電話をしておく。来島のノートにあまり書けなくてすみませんでした。
『BONINA』でワインを開け,最後の夜を楽しむ。明日からの航海が楽しみだ。

⛵小笠原父島二見漁港

 港内にもサンゴがあるのが印象的だった。びっくりした。夜はサメが出てきて,餌をねだっている。

 おがさわら丸が父島に着く日だった。食料買い出しを兼ねて見学に行く。
 下船時は,海保,警察,役所の職員がタラップの下で待ち受けている。

 お世話になったお礼に,再度,洞窟を訪ねた。
「また,おいでよ。」
との嬉しい言葉を頂いた。
 小笠原に来るなら台風の関係で12~3月までがいいらしい。
 また来よう。本当にありがとうございました。

 民宿『たつみ』さんに挨拶に行く。朝ごはん美味しかったです。お風呂も嬉しかったです。毎日,自転車を貸してくれました。軽自動車も貸してくれたので燃料購入の際には役立ちました。パッションフルーツのお土産をどっさりいただきました。ほんとうにありがとうございました。

Thursday, May 09, 2019

ティラーを取り付ける

『KAIZIN』さんに挨拶に行く。魚が手に入ったとのことで美味しそうな赤い魚(名前は忘れた)を2尾いただく。早速民宿に持って帰って調理をお願いする。いや調理というよりおあがりくださいだ。残りを僕たちがいただけばいい。
 小笠原支庁への電話や海保への電話をしている間に,『Bonanza II』さんと『Blue Lagoon』さんが,ティラーの取り付けをしている。予備ティラーはヒビが入り使えないので,元のティラーを切断しはめ込む。幅が合わないのでぐらつくが,洞窟で頂いてきたタモの木っ端を隙間に叩き込む。なんとか泉佐野までは保つだろう。
 水野さんが拙艇に置いていったままの工具を回収に来られた。本当にお世話になりました。ありがとうございます。
 民宿で軽自動車を借りて,燃料を購入に行く。免税じゃないから普通に買える。それにしても結構な価格だった。
 よく考えれば僕たちは小笠原の居酒屋しか知らない。ちょっとは散歩をしよう。
 夕食は『BONINA』で。僕たちの来る前から停泊している『Green Sailing』さんも来られていた。同席されていた小笠原ヨットクラブの方からは,
「この後は南,グアムですか?」
とやられる。ホンマにそう答えたかったなあ。いつまでおるとかやなしに,気に入ったらずっと滞在して,行きたくなったら出る,そんなクルージングが理想だ。

⛵小笠原父島二見漁港

「KAIZIN」さんに挨拶に行く。曳航ありがとうございました。オケラネットでもお世話になっております。みんなでKAIZINのTシャツを買う。舵も取り付けたことだし,少し余裕が出てきた。

Wednesday, May 08, 2019

達人に出会う

 ヨットで片付けをしていると自転車に乗った人が訪ねてきた。水野さんだった。小笠原ヨットクラブの菅野さんが連絡しておいてくれたのだろう。ありがたいことです。
 舵の様子を伝えるが,聞いてもあんまり驚いた様子でもなく,いつでも修理できるような感じだった。直ぐに作業にかかるのかなと思っていたら,
「洞窟を見にくる?」
 水野さんは洞窟で52ftのカタマランを製作中とのことで,見学させてもらった。
 舵の修理ぐらいきっとすぐに終わるのだろう。余裕を感じた。

⛵小笠原父島二見漁港

 双胴を縦に並べて製作中。
 次に取り掛かるのは上部構造物だそうです。

 ぶつかって損傷しても交換のできるバウ↓。

 こんなふうに外れるようになっている。

 洞窟見学が終わってから港に帰って作業を開始。
 海中に落とす前に,引き上げ用のロープをセットしておく。

 このままでは抜けない。コクピットロッカーにもぐりこんで裏側のナットを緩める。そのまえにこのボルトが固着してさっぱり回らない。水野さんが軽トラで工具を取りに戻る。足りない道具は何度も車を出して,どこからか調達してくる。
 ショックドライバーでようやくボルトが動き出した。

 ガイドロープを付けて静かに落とし込むが,落ちない。浮力がそうとうある。押し込むためには長い棒が必要なので,これまた水野さんが軽トラを走らせて調達してくる。

 二人で力を込めて押し込むと,ようやく海中にラダーシャフトが見えてきた。

 沈んだら回収が大変だなと思っていた。あにはからんや,プカリと浮いてきた。ということは洋上でも(舵が海中に)落ちることはない…んだ。

 お世話になった予備ティラー(父島が見えたところでバキッとヒビが入ってしまった)に感謝を込めて…


 この角度以外にも捻りが入っていて3次元的に曲がっている。
 曲がったせいで舵がハルに食い込んでいた。

 引き揚げ用ガイドロープ。

 岸壁のコンクリートを利用して,木材で調節し,油圧ジャッキで修正を加えていく。

 さらに修正を加えるために,建材屋さんの土地とユンボを借りて作業する。
 水野さんは誰とでも知り合いらしく,島では知らない人がいないくらいの有名人だろう。

 方向を変えてやる。

 まだまだやるが,水野さん曰く,「ここまで強固なのは初めてだ。」とのこと。これ以上するとラダーそのものが破損してくるかもしれない。そうなると積層から始まってかなり長期滞在が必要になる…これでよしとした。水野さんにしたら少し不本意で,ここで完璧に修正したかったようだ。

 曲がりは完全には取れていないので,念のためにスターンに食い込んでいた部分を削っておく。

 港に帰り,ラダーを取り付ける。浮力が大きく,石・アンカー2組・ステンレスチェーン・ドブ漬けチェーンをセットして,ようやく沈みだした。ガイドロープでラダーシャフトに引き寄せ,左右から引いたロープで調整しながら,ようやくそいつが元の鞘に戻ってきた。
 ブラボー!
 そこまで見届けると,水野さんは帰っていった。
 かっこよろしい!
 隣に停めている『Green Sailing』さんにもずっと手伝っていただきました。お世話になりました。ありがとうございます。
 奇しくも今日は僕の誕生日。いい日になった。

Tuesday, May 07, 2019

普通の岸壁風景

 久しぶりに畳の上で寝たが疲れているはずなのにそれほど深い睡眠は取れなかった。それよりも,夜トイレに起きるたびにグラグラと部屋が揺れているのにはまいった。
 民宿『たつみ』の朝食は美味しい。普段はご飯(米の飯)は食べないが,卵かけご飯の誘惑にめげて3杯も食べる始末だ。女将さんが,小笠原にマスコミが取材に来た時の録画を流してくれる。ようやく小笠原に来たんだという実感が湧いてきた。
『KAIZIN』は宿からすぐそこの場所。昨日のお礼を兼ねて挨拶に行く。本当にありがとうございました。
 散らかったままになっているキャビンの片付けと整備のためにヨットに向かう。民宿の方が,自転車を貸してくれたので助かる。
 昨夕,「また,明日参ります。」との言葉通りに海保小笠原保安署から職員がやってきた。ノートに簡単にメモを取っている。舵を触ってもらう。びくともしない状況に驚いていたようだ。お勤めご苦労さんです。
 小笠原ヨットクラブの菅野さんに,修理の段取りについて電話を入れる。上架施設はないので舵を取り外すためには,(舵を)海中に落とす方法が手っ取り早いようだ。

⛵小笠原父島二見漁港

 エンジンをよく使った。
 オイルとオイルフィルターを交換しておく。

 エンジンのキルスイッチ(ロータリースイッチの下)を出港後すぐに壊してしまった。平時なら気をつけているのだが,ドッタンパッタン揺れる船内では足場が決まらない。知らない間に蹴ってしまったようだ。
 応急処置として木片を付けてガードにする。

Monday, May 06, 2019

小笠原に着きました…やれやれ 小笠原父島二見漁港

 今日も同じような海況だ。
 鈍い色の雲の先にうっすらと島影を発見したのは『Blue Lagoon』さんだった。ようやく父島が見えてきたのだ。あと20マイル強かな。
 その直後,ミシッ,バキッ!島影を見た途端に予備ティラーまで壊れるとは…ここまでよく頑張ってくれたものだ。でも,この先の舵取りに不安が残る。
 何気なくiPhoneを取り出すと,アンテナが3Gを示している。赤の数字マークは?なんと『KAIZIN』の山田さんからの着信履歴が残っている。30分ぐらい前らしい。かけ直してみると見事につながった。心配されていたようで,状況を説明すると,海況も落ち着いてきたので曳航に来てくれるとのありがたい言葉を頂いた。さらにさっきまでの曇り空が青空に変わり始め,波も穏やかになってきた。全てタイミングよく噛み合っているので笑ってしまう。
 
 黄色い船体が近づいてきた。『KAIZIN』の『ISLAND QUEEN』だ。
 舫ロープを受け取る。本当にありがとうございました。

 今晩は,小笠原ヨットクラブ会長の菅野さんが予約してくれた民宿泊まりとする。片付けは明日にしよう。
 岸壁を歩くとふわふわとまるでウレタンマットの上を歩いているような感覚にとらわれる。完璧な陸酔い状態だ。
 宿に荷物を置いて,まずは風呂。お湯も揺れている。
 歩いて街に繰り出す。
 居酒屋でやるが,ビールが冴えない。ずっと汗もかいていないから仕方がないか。それでも生中2杯とはなんたる体たらくだ。『Bonanza II』さんだけは,ウヰスキーを追加していた。
 ゆっくり寝るでえ。

 着岸しました。海保の職員さん,小笠原支庁の職員さん,漁協の職員さん,小笠原ヨットクラブの会長菅野さん,「KAIZIN」の山田さん…沢山の人が岸壁で待っていてくれました。ご迷惑をおかけしました。

 父島入港前にスコールにつかまった。まだしとしとと降っている。

Sunday, May 05, 2019

なかなか着かんね

 今日も昨日と同じ状況でひたすらティラーをしごく…ごめんなさいね。
 あと50マイル強。でも今日中に着きそうもないなあ。
 艇速はよくて3Kt,デイランは40〜50マイルがやっとだ。潮流に絶対に押されているしね。

Saturday, May 04, 2019

あれれっ

 朝までずっとこの調子でとりあえずは小笠原父島二見漁港を目指した。

 いい方法がうかんだ。お馬鹿な僕でもずっと同じことを繰り返していると知恵が湧いてくる。端っこをそれぞれ右・左のウインチにかけたロープをティラーにインクノットで固定する。ウインチをぎりぎり巻くとティラーが少しずつ動くのだ。舵の上部がハルに食い込んでいるから一番出っ張りの大きいセンター部分を越えられない。それを無理やりウインチで移動させるわけだが,バスンという音とともにティラーが反対側に大きく振れる。それでは針路を保てないのでまた少し戻す。いくら戻してもオンコースにはならない。そして戻し過ぎると,またバスンという音とともに反対側にティラーが振れる。修正するためのそんな作業をずっとしているわけだが,まるで延々と続く雪山のラッッセルに似た感じだ。ラッセルと同じで3人いると休憩できるのでそれほどしんどいわけではない。自分の番が終わると,各自のバースでひたすら眠る。ヨットに乗るとどうしても運動不足になりがちだが,上半身とりわけ腕しか使っていないが,適度に疲れるのでぐっすりと眠ることができた。
 明るくなってきた。海況が少し落ち着いてきたので,ようやく上体を折り曲げスターンから覗き込むようにして舵を観察することができた。
 ん?
 揺れてる?
 舵が曲がっている?
 いや,揺れている?
 これってぶら下がっているだけと違うんか?
 脱落するんかいな?それやったらどっかに穴開いてる?
 やばいんかな…
 緊急連絡をしておいたほうがいいのか?inReachで『Wiz of Oz』さんと連絡を取る。
 昨日より恒例となった1時間に1回のビルジチェック後,他の箇所からの浸水も調べるが船体に異常はないようだ。
 さっきよりさらに海がおとなしくなってきた。きれいな青い海だ。この海況なら潜れる。ロープで体をつなぐのは当たり前だが,念のために『Bonanza II』さんにビレイをお願いする。
 海水は温かい。潜ると潮の流れを強烈に感じる。それにしても美しい…ラダーのチェックをするが,スターンに食い込んでいてびくともしない。コクピットで無理やりティラーを動かしてきたが,それによる損傷もないようだ。全くよく動かしてきたものだと思う。船体に亀裂もなく一安心だ。揺れて見えたのは波のせいだ。
 プロペラを確認するとペラが見えないくらいにホンダワラが巻き付いている。一度では除去できない。4回潜って,やっと取り除いた。ようやくすっきりとシャフトとペラの姿が見えた。
『Wiz of Oz』さんには4時間毎に定期連絡(現況報告・位置情報等)を入れることにした。

Friday, May 03, 2019

うへっ

 小笠原父島まで約160マイル。快適に帆走を続けている時に,それは突然…
 16時に『Bonanza II』さんとワッチを交代し,僕はAirvaneの角度調整をしていた。右舷バースにいた『Bonanza II』さん曰く,バウで鈍い音がした。それとほとんど同時に僕の手に握られていたのは,根元からザクッと折れたティラーだった。しかもショックなんてなかった。
 一瞬のことで何がなんやら分からんが,とにかく予備ティラーは持ってるし付け替えたらすむことや。船内漏水もないし,ビルジもない。ティラーとラダー軸を連結するステンレス金具の根元には折れたティラーの残骸がある。それをマイナスドライバーをタガネ代わりに叩き割り,交換作業に入った。
 知らない間に裏ジブになったらしく,しかもウインドベーンのSERVO-PADDLEが上手く抵抗となって勝手にヒーブツー状態を保ち,船体は安定した状態で潮に流されている。
 取替えは10分で終了,やれやれや…あれっ?ティラーが動かへんやんか
 ??
 ラダーがスターンの凸部に食い込んどる
 ???
 そうとなると心配なんは,ラダーシャフト受け部FRP損傷による漏水や。
 スターンロッカーの荷物を放り出して,後部空間に潜り込んで調べたが,どこにもひび割れ,漏水はない。それだけでも一安心や。
 舵がセンターで固定されたま動かへん。潮流はなぜか北に2~3Ktで流れとる。風は…いろいろ試してみたけど,いっちゃん操船しやすいんがジブをたたんでメインだけの機帆走や。

 ざんざん降りの雨の中30分交替の二人体制で操船する。
 動かないティラーを強引に足で蹴り反対側に移す。それでようやく舵が振れる。どうしても西進してまう。また強引に舵を反対側に移動させる。これの繰り返しや。延々とやっとればいつか夜は明けるやろう。明けたって状況が改善するわけではないんやけどね。明るい方が気分はええし。

 破損前までは快適に走り続けたのにね。
 少し風が弱くなったので,2ポン→1ポン,しばらくしてから久しぶりにフルセールにした。クローズホールドじゃなければなあ…

Thursday, May 02, 2019

パソコンが…

 午前零時に『Bonanza II』さんとワッチを交代する。ゆっくり眠ろう。
 突然ピシャッと頬に水しぶきを感じた。ハッチは閉めているし,差し板は下半分だけはめ込んである。ほんの一瞬のことだったが,さっきまで航路を表示していたパソコンの画面が消えている!しまった,キーボードの上にカバーを掛けておくのを忘れていた。全くアホでした。
『Blue Lagoon』さんのパソコンを起動させる。出港した時は2台稼働させていたのだが,充電の様子が芳しくないので電源を切っておいたのだ。出航前に,『Bonanza II』さんのパソコンも予備で積むかどうか迷ったが,やっぱり積むべきだった。パソコンは複数台必要だなあ。

 海況はずっと同じで,スターン側に目をやると大きな波が押し寄せてくるのが分かる。横波を受けないように注意する。コクピットにいる時はあまり感じないが,セティバースで横になっていると相当衝撃を感じるらしい。
 周囲にあるのは海だけ。ずっと波を見ていると時間の経つのを忘れてしまう。夜はその波を見ることができないので少し退屈になってしまうが,どこにも寄らずに洋上にいることがたまらなく心地いい,これがやりたかったのだから。

 待望の夕焼けかな。そういえば星空もさっぱり拝んでいない。

Wednesday, May 01, 2019

やや無線の調子がおかしい

 相変わらずの冴えない天候だが,風があるだけましだし,気持ちがいいセーリングが続いている。ようやく僕の酔いも治まったようで,がぜん食欲が増してきた。
 海況が少し落ち着いてきたので燃料を補給しておく。ゲージはまだ2/3を表示しているが,できる時に早め早めの給油をしておく。なぜか充電の具合が悪いので,夜間はエンジンをペラを回さずにかけている。
 12時前にオケラネットに入る準備をした。
 ?
 オートチューナーからカチャカチャカチャと調整している音が聞こえてくるが,チューニングOKの緑ランプが点かない。何度やっても同じだ。以前港で同じ状況になったのは,無線機後部のコネクタが抜けていたためためで,今度もそれかなと確認するがきちんと収まっている。厳しい海況で波飛沫も半端じゃなかった。ひょっとして海水が機器に侵入したのかもしれない…
 大阪の『Wiz of Oz』さんに状況をGarmin inReach Miniで伝えておく。7MHzバンドでの交信を楽しみにしていたんだけれどなあ。
 ありゃりゃ~今度はGarminの電池が異常事態に陥った。
 充電のために外部から電気を供給していたが,ものすごい高温を発している。これは厄介なことになったぞ。しばらくおいて冷めるのを待つが,どうやら電池がイカれてしまったらしく,充電直後なのにみるみるうちに容量が減っていく。放って置くと10分もかからないうちに空っぽになってしまう。以後,内蔵電池では起動せず,常に外部電源と接続しているときのみ使用可となった…ちょっとめんどくさいなあ。
 
 ずっと何かを食っているが,それに比して酒量が増えたかというとそうでもないのが残念,寒いからビールが冴えないのだ。

 まだまだ薄暗い空だが,これぐらいの明るさになっただけでも気分がいい。このまま晴れていてね…

Tuesday, April 30, 2019

天気は冴えないがよう走ってるよ

 ずっと曇り空の中ヨットを進める。雨も時々降ってきた。
 それよりもこの寒さは何や,めっちゃ寒いやんか。真冬でもこんな格好で操船したことほとんどないで。ほんで湿度が高いやろから股擦れになってしもうたがな。じゅくじゅく不快や。
 まだオエオエが続いている。たいてい3日で落ち着くと聞いていたから,明日にはこの揺れを楽しめるようになるだろう(と思う)。
 ウインドベーンは素晴らしい。長時間使うのは初めてだから少し心配していたが,どんどん惚れ込んでいった。うねりも上手に越えていく。ティラーだと波の頂点から下る際にちょっとした舵さばきが必要なこともあるが,ほとんど修正の必要がないほどきれいに波をクリアしていく。バウがドッタンバッタンなんてことは数えるほどしかなかったが,切上がりに注意が必要だ。
 ジェットコースターのようだったは,僕が寝ていた時(約8時間)ワッチをしていた『BlueLagoon』さんと『BonanzaⅡ』さんの放った言葉だが,3階建のビルぐらいの波(うねり)の中をずっと安定して走り続けていたらしい。波の底にいる時,周りは壁のようで,それから一気に駆け上がり斜めにスライドしながら落ちていく。
 バッテリー容量は十分なのに供給がうまくいっていないので,夜だけは充電のためにエンジンをかけることにした(ペラは回さない)。ソーラーパネル200Wからの昼間の充電は問題なかった。

  雨,雨,雨ばかり。寒さも異常なほどで,持って行こうかどうか悩んでいた中綿入りのジャケットを積んでおいてよかったと感じた。それでも寒かったので,日が落ちると,カッパの代わりに冬用のアウターを重ねた。寒さには強いはずやったんやがなあ。身体を動かしていないので冷えるんだ。

Monday, April 29, 2019

二日目の朝を迎えました

 ジブも効かない真上りもあったが,夜明けを迎えた。
 ずっと冴えない天気が続いている。たまに晴れ間が見えるとこのままの好天を期待するが,ほとんど雨ばかり降っている。黒潮蛇行の南流にも乗れているが,南風とはついていないなあ。そのうち風が東にシフトしだした。
 明るくなってきたので,レーダーをオフにし。充電のためにかけていたエンジンも,ここらでオフにする。ちょうどいい風が吹いてきた。ウインドベーンの動きが素晴らしい。

 夕方,再度エンジンをかけようとキルスイッチを触るとうんともすんとも言わない。低い位置に取り付けたのが仇になったようで,揺れる船内で体を支えるために足を踏ん張る,いや蹴ってしまったのかもしれない。ちょうどそこにスイッチがあったわけだ。『Blue Lagoon』さんが修復を試みる。電気のプロがいることが心強い。
「スイッチの予備を積んでいますよ。」
 それなら話は早いと,新しいスイッチを組み替えてほんの数分で復帰した。
 今晩は風が強い。リーフして夜に臨む。
『Blue Lagoon』さんは(酔い)に強い。あのドタバタ揺れる船内で下向きに配線のやり直しをしてもケロッとしている。僕は酔わないと思っていたが,相当まいっている。船内では横になる以外に気分を保てない。立てばたちまち吐き気が押し寄せてくる。コクピットにいるときだけが安静のひと時だが,この時期とは思えないほど寒い。ドジャーが大きくコクピットに張り出しているのでそこに退避していれば軒先で雨宿りしている気分だ。

ようやく周囲の船舶に気を取られないで走ることのできる海域に出て,ウインドベーンでの走りが始まった。
あいにくの空模様だが,静かで気持ちがいい。

音も立てずに,ずっと静かに働いています。本当に信頼の置ける相棒ですね。

Sunday, April 28, 2019

出ました,小笠原まで行ってきます オーバーナイト

 8時40分に出航,一路小笠原父島二見漁港まで。

 2018年の年末だったか小笠原行きの準備を進めていた僕に,『Bonanza II』艇長が,「俺も行くわ。」と乗ってきた。高専山岳部からの長い付き合いで,僕のヨットに数年乗っていたが,今では隣に自艇を停めている(ほどのめり込んでいる)。歯に衣着せぬ喋りは,周囲の人からはどっちが先輩なの?と疑問符付きで投げかけられるが,僕が2年先輩である。新学期のオリエンテーションで山岳部の紹介をしていた教室に新入生(高1の)彼がやってきて,質問を受けた時から腐れ縁が始まった。二人で学校をさぼってクライミングにもよく出かけた。
 年が明けてからは,週毎に彼が食料を持ち込んできた。この食料の選択がなかなかナイスで,やっぱり山屋はいいなとあらためて思った。
 4月になって『Wiz of Oz』艇長が音頭を取って,気のおけない仲間だけで飲み会をやった。泉大津の『Blue Lagoon』艇長がなんだか乗ってきそうな予感だけがした。
 次に僕が『Blue Lagoon』艇長と会ったのは港の岸壁で,カートにビール1ケースとダッフルバッグを持参した時だった。
 これで,小笠原行きは3名になった。ィヤッホーッ。

 随分と早い時間に目が覚めたのは臨海道で爆音を立てる暴走族とパトカーのサイレンの共演のせいではない,早く朝にならないかとまるで小学校時代の遠足のような気分であったからだ。
 5時前にはみんな起きてイートインコーナーのあるコンビニでたわいのないことを喋りながら,コーヒーとカツサンドを仲良く食べた。
 7時にはスタンバイしていたが,8時40分にようやく舫を解いた。前日まで9時出航と言っていたものだから,そして見送りにくるよというありがたい言葉を受けていたから,さらに微に入り細に入り僕のメンテナンスの助言だけでなく作業までかってでてくれた『Wiz of Oz』艇長の伴走を期待していたからに他ならない。本当にありがとう。
 差し入れをいろいろといただいて悠々出航する。教え子の夕子からも何かもらったが,それが何であるかは向こうについてからのお楽しみだ。
 出てすぐにメインセールを揚げた。この風向きならジブも展開でき,写真を撮っても映えるセールボートの形になった。
 潮にも押されたようだし,追い風で艇速は7ノットを越えている。夕食は『BonanzaII』さんが3人分を山屋のノリで作ってくれる。ごちそうさまでした。
 明るくなってから潮岬沖の本船航路を通過の予定が,予想を遥かに越えたスピードでヨットは走っている。本船輻湊航路の横断は前日の夜(今晩)だろう。その後は向かい風でさっきまでのようにはいかない。
 夜間に航路の横断なんてするもんじゃないね。AISで確認すると,船首方向は変われど艇速はずっと0Kt台を示していパナマ船籍のタンカーにVHFで呼びかけた。返答がなかったが,二度目に相手の訛りのある英語が聞こえた。こちらの針路を伝えると分かったらしく,エンジントラブルか何かで修理中と伝えてくれた。
 ネットは潮岬沖からは随分と離れて走っているのに繋がっていたが,これを書いている今ようやくアンテナが1本となり,ブラウザが開けなくなってきた。いよいよ「外洋」航海が始まったようだ。

 メインセールのリーフだが,暗くなってからの変更はちょっと遠慮したいので,夕方の風から判断して18時までには終えた。ジブは130%フルに出すのは昼間だけにした。ずっと強風だったのでほとんど縮帆しているような海況だ。

『Wiz of Oz』艇長のお見送り。準備の際は本当に助かりました。行ってきます。早朝は晴れていたのに,だんだんと曇ってきました。この先ずっとこんな天気になろうとは…

淡輪に回航する『LEIA』艇。いろいろとお世話になりました。関空島一周レース,楽しんでください。

『Blue Lagoon』さんはやおら網を編み出した。あまりにみすぼらしい拙艇のスチロバールをこれ以上損傷させないようにですかね。ありがとうございます。

あいにくの上り。ジブが効かないので巻取り,メインだけの機帆走。最も船舶が輻湊する海域を明け方通過の予定だったが,それまではずっと6~7Ktの快走(予定より速い艇速)だったので,深夜に横断することになった。注意しよう。