Sunday, April 28, 2019

出ました,小笠原まで行ってきます オーバーナイト

 8時40分に出航,一路小笠原父島二見漁港まで。

 2018年の年末だったか小笠原行きの準備を進めていた僕に,『Bonanza II』艇長が,「俺も行くわ。」と乗ってきた。高専山岳部からの長い付き合いで,僕のヨットに数年乗っていたが,今では隣に自艇を停めている(ほどのめり込んでいる)。歯に衣着せぬ喋りは,周囲の人からはどっちが先輩なの?と疑問符付きで投げかけられるが,僕が2年先輩である。新学期のオリエンテーションで山岳部の紹介をしていた教室に新入生(高1の)彼がやってきて,質問を受けた時から腐れ縁が始まった。二人で学校をさぼってクライミングにもよく出かけた。
 年が明けてからは,週毎に彼が食料を持ち込んできた。この食料の選択がなかなかナイスで,やっぱり山屋はいいなとあらためて思った。
 4月になって『Wiz of Oz』艇長が音頭を取って,気のおけない仲間だけで飲み会をやった。泉大津の『Blue Lagoon』艇長がなんだか乗ってきそうな予感だけがした。
 次に僕が『Blue Lagoon』艇長と会ったのは港の岸壁で,カートにビール1ケースとダッフルバッグを持参した時だった。
 これで,小笠原行きは3名になった。ィヤッホーッ。

 随分と早い時間に目が覚めたのは臨海道で爆音を立てる暴走族とパトカーのサイレンの共演のせいではない,早く朝にならないかとまるで小学校時代の遠足のような気分であったからだ。
 5時前にはみんな起きてイートインコーナーのあるコンビニでたわいのないことを喋りながら,コーヒーとカツサンドを仲良く食べた。
 7時にはスタンバイしていたが,8時40分にようやく舫を解いた。前日まで9時出航と言っていたものだから,そして見送りにくるよというありがたい言葉を受けていたから,さらに微に入り細に入り僕のメンテナンスの助言だけでなく作業までかってでてくれた『Wiz of Oz』艇長の伴走を期待していたからに他ならない。本当にありがとう。
 差し入れをいろいろといただいて悠々出航する。教え子の夕子からも何かもらったが,それが何であるかは向こうについてからのお楽しみだ。
 出てすぐにメインセールを揚げた。この風向きならジブも展開でき,写真を撮っても映えるセールボートの形になった。
 潮にも押されたようだし,追い風で艇速は7ノットを越えている。夕食は『BonanzaII』さんが3人分を山屋のノリで作ってくれる。ごちそうさまでした。
 明るくなってから潮岬沖の本船航路を通過の予定が,予想を遥かに越えたスピードでヨットは走っている。本船輻湊航路の横断は前日の夜(今晩)だろう。その後は向かい風でさっきまでのようにはいかない。
 夜間に航路の横断なんてするもんじゃないね。AISで確認すると,船首方向は変われど艇速はずっと0Kt台を示していパナマ船籍のタンカーにVHFで呼びかけた。返答がなかったが,二度目に相手の訛りのある英語が聞こえた。こちらの針路を伝えると分かったらしく,エンジントラブルか何かで修理中と伝えてくれた。
 ネットは潮岬沖からは随分と離れて走っているのに繋がっていたが,これを書いている今ようやくアンテナが1本となり,ブラウザが開けなくなってきた。いよいよ「外洋」航海が始まったようだ。

 メインセールのリーフだが,暗くなってからの変更はちょっと遠慮したいので,夕方の風から判断して18時までには終えた。ジブは130%フルに出すのは昼間だけにした。ずっと強風だったのでほとんど縮帆しているような海況だ。

『Wiz of Oz』艇長のお見送り。準備の際は本当に助かりました。行ってきます。早朝は晴れていたのに,だんだんと曇ってきました。この先ずっとこんな天気になろうとは…

淡輪に回航する『LEIA』艇。いろいろとお世話になりました。関空島一周レース,楽しんでください。

『Blue Lagoon』さんはやおら網を編み出した。あまりにみすぼらしい拙艇のスチロバールをこれ以上損傷させないようにですかね。ありがとうございます。

あいにくの上り。ジブが効かないので巻取り,メインだけの機帆走。最も船舶が輻湊する海域を明け方通過の予定だったが,それまではずっと6~7Ktの快走(予定より速い艇速)だったので,深夜に横断することになった。注意しよう。

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