Friday, July 25, 2025

落石漁港へ 根室港〜落石漁港

 貝殻島近辺は昆布とりの漁船がたくさん出るらしい。鉢合わせしないように出港は6時と遅らせた。
 お詣りは午後より朝がいい,夕方なんてもってのほかだ。

 航海の安全をお願いしておきました。

 今日も晴れ,風は真上りっぽいが弱い。

 サンマ漁の船ですね,通称「花魁船」というらしい。いかにもカンザシですよね。

 納沙布岬を回り込む。ずっと逆潮でスピードが出ない。

 ベタ凪ですね。

 おいおい,逃げるのなら横へ行く方がいいと思うけれどなぁ…何度か休みつつ前へ前へ…

 本陸沿岸をポートが何十隻も港へと帰っていく。これが昆布漁の船だろう。
 ユルリ海峡は上げ潮流は北東方へ流れるらしい。最大流速は1.3kt,航路をそこプロットしていたが,ユルリ島東方を通るコースにに変更した。

 こんなに真っ平らな島は見たことがない(ユルリ島)。

 指定された岸壁に着岸,1艇だけなら奥にも停められそうだ。4艇まとめて停泊できる場所を提供してくれたようだ。

 岸壁には漁協のHさんがいて,指示してくれる。ありがとうございます,お世話になります

 オイル交換時期には10時間早いが,明日は釧路の予定,航程は今日より20NMばかり多く,着くのは夕方,時間の余裕がある今日やっておこう。

 どろどろのオイルをフレッシュなそれに入れ替える。オイルフィルターも交換,ギアオイルも新しくする。
 
 作業が終わって,ようやく到着ビールだ。

 ビールをやりながら,1軒だけあるらしい食料品店に電話を入れる。
「ヨットの方ですか…」
 ええっ,なんでバレてるの?店で確かめたら,昨日もヨットマンがやってきたとのことで,おそらく僕と同じような尋ね方をしたのかもしれない。それで前述の「ヨットの方ですか…」なんて言われた訳だ。

 お菓子を数袋買いました。コクピットに座っていると暇なのでついつい指が伸びて延々と食ってしまうのだ。

 漁協前の植え込みを食んでいる奴がいる。

 立派な角を生やしたエゾシカが2頭,食事を邪魔してごめんなさい。時折振り返りながら去っていった。

 昨日『KAWASEMI』で一杯やった地元のMさんが差し入れをたくさん持って来られた。落石までは30分ぐらいだという。

 これ,昨日話題に上がった【焼鳥弁当】(豚串),ほんのり塩味で美味い。

 これも話題の一つ,【オランダせんべい】。ネーミングの由来は…はてなんだっけ。頼りない食感,ほんのり甘さが絶妙で酒にも合う。
 さらに北海シマエビをボリボリやっているとどんどん酒が進む。Mさんが次に取り出したのは,赤ワイン,ほのかな渋みがいかす。
 旅で出会った人との他愛のない会話がなんとも言えないいい雰囲気をかもしだす。

 来艇者その1。

 来艇者その2。

傍観者その1。この子は心配だ,早くお帰り。

根室港発  06:00
落石漁港着 12:30(35NM)

Thursday, July 24, 2025

ベタ凪の中を根室港へ 羅臼港〜根室港

 はるか国後に夜が明ける…

 連日の晴天続き,ガスの発生もないことが航海の安心を生む。

 ウトロ,文吉,羅臼と知床の景観を楽しんだ。
 半島に別れを告げる。

 昨日,漁師さんに言われた通りに1列縦隊でお行儀よく進む。

 野付埼は国後島との間隔が一番狭くなっている。

 ここでガスにまかれたら厄介だろうなと思う。潮流に味方されて艇速がアップした。

 市役所に電話を入れ停泊の許可を得る。
「どの港ですか?」
と聞かれて根室市が管轄する港は複数あるのだと
知った。さんざん海図を見ているのにさっぱり分かっちゃいないね。

 指定された場所に着岸。

 海保,続いて役所の方が来られて一段落したのが14時前,ようやく到着ビールを飲んだ。美味い。
 飯がまだだったとソーセージが茹で上がり,口にした時に,『KAWASEMI』艇長から電話,『オリオン』艇長の希望で花咲蟹を買いに行かないかと…

 たくさんありましたよ。
 一人一杯ずつ,『KAWASEMI』艇長はデカいのを買った,凄い!

『KAWASEMI』でやっつけました。

 落石漁協の方が来られて港内の係留場所,入港コースなど詳しく説明してくれる。迷惑のかからないよう,より一層慎重な航海を心がけよう。

 海図に航空写真,緯度経度も記載してくれています。ありがとうございます。

 おやっ,エゾシカが…

 暮景。明日の晴天も約束された。

羅臼港発 04:00
根室港着 11:55(46NM)

Wednesday, July 23, 2025

知床岬を回って羅臼へ ウトロ漁港(知床岬)〜羅臼港

 雨音で目が覚める。稲光が東の空を光らせる。ええっ,今日も晴れると思っていたのになぁ。それ以外は,クマにもあわず,平穏無事な朝を迎えた…人間のいるところにわざわざ出てくるクマもいるわけないと思うのだが,やっぱりドキドキするよね。
 3時には雨も止み,低い位置にあった雲も徐々に姿を消した。

 すっかり晴れましたね。

 これが知床岬。
 雑誌『岩と雪』に掲載されていた渡部由輝の知床縦断の記録をわくわくしながら読んだのは高校生の頃だ。その知床を海から眺めている。歩いてみたいというのが本音だが,ヨットからの景色は捨てがたい。

 見ての通りの好天,途中何度か前方にガスを見たが近付くに従って消えていったのはなによりだ。

 ストームジブの赤がなかなか美しいと思うのは僕だけか…

 役場→漁協の連携がスムーズで親切,丁寧な対応に恐縮する。お世話になります,よろしくお願いします。

 4艇並べるスペースはあるが,港出口は引き波が強そうなので,『オリオン』を横抱きする。

『KAWASEMI』艇長がレンタカーを予約,風呂はどこがいいかと考えたが,一番近いのが『熊の湯』。

 なかなかの湯でした。ゴーゴーと流れる沢の音が涼感を増しますね…湯はそうとう暑いけれどね。

 入浴後は知床羅臼ビジターセンターへ。裏手の間欠泉へはすぐ。

 噴出時間はわずか15秒,いいタイミングだった。

 ビールの買い出しを終え,あとはヨットで飲んだくれるだけ。

 岸壁での楽しみは地元漁師さんとの会話。明日の天気を聞けるのがありがたいですね。
「4艇一列縦隊で行け,漁船を見たからってそれぞれがちょろちょろ動かれたら困る。漁船の方で避けてくれるから。ばらばらに動いていると真ん中を(漁船が)突っ切ってしまうぞ〜」
の助言がなんとも言えず本質をついているようで納得した。

 そうそう,レンタカーを返しに行ったスタンドでこんなものをいただきました,いい記念だ。

ウトロ漁港(知床岬)発 04:20
羅臼港着        09:55(26NM)

Tuesday, July 22, 2025

文吉湾へ ウトロ漁港(ウトロ)〜ウトロ漁港(知床岬)

 漁船のエンジン音が聞こえる。時刻はまだ2時台,僕たちを横抱きしてくれている漁船『住吉丸』の出港は5時だと聞いているが,もしかして…

 さっさと朝飯を済ませて,スタンバイしよう。

 3時半に1艇出ていった。大漁を祈願します。
 
 4時前に『知床丸』の漁師さん3名がやってきた。やっぱり出港は早いのだろう。
 外側の僕が離れたら『KAWASEMI』が漁船との舫を解く。

 写真を撮っていいですかと聞くとOKのサイン。お世話になりました。ありがとうございます。
 あれあれ,若い方の二人は帰っていった。続いて昨日から対応してくれているSさんも…ひょっとして,ひょっとして,僕たちを見送りに来てくれたのか…朝から感動しましたよ。

 知床半島の好天クルージングが最高だ。

 まもなく朝日が上る。港で見るより洋上でその時間にいるのがたまらなくいい。

 時々,雲がかかる。

 レンズ雲なら一重だが,こいつは3重だ。悪天の兆しじゃないといいがね。

 もっと岸寄りを走らないと景観を楽しめないと少し変針したところに,「まもなくカムイワッカの滝だよ」と『オリオン』艇長からコールがかかる。
 ずっと逆光で写真を撮っても冴えなかったが,ここ一番の場所で太陽が雲に隠れ,いい感じで撮れた。

『オリオン』

『KAWASEMI』。
『sannaviki』は沖にいたため撮れなかった。

 バックがいいので『オリオン』もう1枚。

 港口でえらく流される。

 向こうからお姉さんが走って来る。ここに着けちゃダメだと言いに来たのか?いやいや,違いました。NHKの番組スタッフで,親子連れのヒグマがすぐ近くにいるから,岸壁にいないで(ヨットに退避した方がいいと言いにきたのだ。着岸早々,これが知床か。
『KAWASEMI』で昼飯とも晩飯はともつかぬ食事をする。早くにおいは拡散した方がいいね。でも岸壁で飯を食って,キャビン内は寝るだけにした方が安全だと思う。ヨセミテのキャンプ場ではそのあたりが徹底されていた。

 4艇きれいに並んでいます。
 この岸壁を日に1,2回はクマが往来するそうだ。お願いだから舫を引っ張って乗り込まないでね〜

ウトロ漁港(ウトロ)発 04:10
ウトロ漁港(知床岬)着 07:55(24NM)

Monday, July 21, 2025

知床の玄関口ウトロへ 網走港〜ウトロ漁港(ウトロ)

 ずいぶん飲んでしまったようで目覚ましが鳴るまで起きないとは…

 晴れ,いい天気の日に知床半島に行くと決めていた。ガスも出ないだろう。

 あれだけ飲んだのにスッキリした顔でTさんがやってきた。続いて『酔艇Ⅴ』さんも。早朝から見送りありがとうございます。

 この青空,知床半島に早く着きたい。
 
 ストームジブを揚げる。おあつらえ向きに上りの風じゃないか…強風じゃないけれどね。

 前方にうっすらと知床半島が見えてきた。

 風が少々冷たい。

『酔艇Ⅴ』艇長が差し入れてくれたお茶があった。ホットだよ。
 仮停め,午前中に漁船が2杯帰ってくる。それが終わったら4艇ずらっと並べて停められるのだが…屋根が心配。漁協の兄さんも気になるようで上に行き高さを確認してくれた。

 取り敢えずは2艇横抱きなのだが…
 漁師さんが来られ,漁船『知床丸』に横抱きしている船外機艇を移動してくれる。余計な作業なのに嫌な顔ひとつせずやられているので申し訳ない限りだ。お世話をおかけしました。ありがとうございます。
 こうして,4艇が『知床丸』に抱かれることになった(2艇ずつの横抱き)。

 1時間後に到着ビール,あてはセコマのラスク。
 
 バウ移動をしなくてもいいようにジブのダウンロープを設置した。

 一番上のハンクスにロープをかけ,フォイルの中を下まで通す。ブロックを介してコクピットにリードする。
 
 途中はファーラーロープ用のブロックを利用した。
 動作は極めてスムーズ,これでいつでも揚げられるしいつでも下ろせる。

 むむっ,あの岩は…

『ゴジラ岩』らしい。あちら側から見るともっともらしいんだろうが,ここからだってなかなかの存在感だ。

 セコマで弁当を買ってきた。

 グラスの中はビールじゃないよ,お茶だ…ほんとです。
 
 風呂までは30分弱かかる。この暑さだ,一人なら萎えそうだ。
 休憩室で湯上がりのビールをやって,少し陽が傾くのを待つ。幾分ひんやりした風が入ってきた。帰りは近道を見つけ,得した気分でコンビニになだれ込む。
 港に帰り,『関西風出汁冷やしうどん』をまだ暑いキャビンでかき込めば,これも極楽かな。

網走港発        04:20
ウトロ漁港(ウトロ)着 10:10(35NM)