Monday, March 09, 2020

我慢してみるもんです

 先日からマストグルーブ蓋とスライダーの干渉でメインセールを揚げるのに手間取っている。引っかかるたびにマストとコクピットを往復していが,それは スライダーの数だけってことだ。
 港内でもさっぱり風がない。風見は一応バウを指している。舫を解く前にセールを揚げてしまおう…結局それでも数回往復するはめに陥ってしまうのだが。

 上りなら遊べそうかなと船首を向ける。オーパイは使用しない。
 朝一で出港したのは『東日流』艇だった。近づいてきて,
「この風でも使えるか?」
とウインドベーンの効きを尋ねられる。
「なんとか。」
 そう答えたものの,風は情けないほどに弱くなってきた。空はさらに青く高い。
 海面には波の様子が観られない。緩やかにたわんでいるだけだ。
 エンジンをかけた。漁港(佐野)の方を見ると1艇出てきた。『kouhei II』艇だった。
 いかん,いかん,僕ももうちょっと楽しもう。
 ペラも回さずにすぐにエンジンを切った。ちょっと先の海面を見ると,さざ波が一面に広がっている。

 さっきまでのとろんとした海面が消えて,さざ波が広がった。
 しばらく上らせる。艇速は4ノット後半。この風にしちゃ上出来だと思う。

 出漁している漁船はわずか。のんびり走るにはもってこいだった。
 この後,ジャイブ。セールの陰になると少し冷えるが,ジャケット*もオーバーパンツ*もいらないぐらいの陽気だ。
*未だに山屋の用語が抜けきらない。

 港直前までセールでしのぐ。
 遊んでばかりはいられない。まだまだやらなければいけないことがいっぱいある。

 マストグルーブの上はタイトに,下はルーズにすると,スライダーの引っ掛かりもなくするすると揚がった。
 かと言って広げすぎるとスライダーがカム状態になった時に抜けてしまう。

 メインハリヤードを揚げる時のキィキィ音が激しい。音がするだけでロープが重く感じられるから不思議だ。マストトップの点検も兼ねて,登った。

 古〜いヌンチャクにこれまた古〜いカラビナ。
 衝撃荷重はかからないから大丈夫…新しいのに変えておこうかなと思うけれど,やっぱりクライミング用に取ってある。

 このアブミも年季が入っているわ。

 作業が終わって下りてから大チョンボ。
 グリスアップしたシーブに活を入れるために,メインハリヤードとトッピングリフトを引っ張っていたら,(下ろすための)ガイドロープが効いていなかった。
 あれよあれよと2本のロープはマストトップに引き込まれていった(シャックルが付いているので,シーブのところで止まっているのだが)。
 通常のように,ハリヤードにクライミングロープを連結して登ればよかったのに,横着をして予備ジブハリヤードで登り返したのが間違いだった。
 潮,その他諸々の条件でロープがガチガチに硬い。上部3m手前でとうとうアッセンダーが食い込んだまま動かなくなってしまった。棒状のロープは使っちゃいけない。以前失敗したことがあったのにねえ。
 ちょうど『COSMO』さんが来てくれたので,援助をお願いした。
 ボートフックを垂れているロープの末端に付けてもらい,引き上げて,シーブにぶら下がっているメインハリヤードとトッピングロープを引っ掛けて取る。うまくいった。
 さて,このままでは下りられない。同様にテープスリングを引き上げてマストにタイオフする。そこにアブミをかけて(予備の)ジブハリから体重を抜き,強引にアッセンダーを揺すると僅かに動いた。ようやくレバーが開いたのでロープから外すことができた。
 やれやれ。
『COSMO』さん,ありがとうございます。この後,拙艇にコーヒーとクッキーを出前してくれました。ごちそうさまでした。
 どんな時にでも,スリング類は携行すること。専用のロープ以外では上らないことですね。

Saturday, March 07, 2020

これで長時間のクルージングでの懸念が一つ減りました

 ホームセンターに立ち寄り,デッキフィラー用の皿ビスとブランケット取り付け用のトラス小ねじを買う。
 フィラー用皿ビスは,長さ5mm,15mmのバラ売りはなく袋入りの10mmを購入する。ブランケット用のトラス小ねじは,15mmあればちょうどぐらいだろう。
 スプレーグリスも買い足す。メインハリヤードのシーブがキィキィ音を立てて少々耳障りだ。

 コクピットロッカー内の荷を放り出さないと作業はできない。
 しかし色々と入っているなあ。燃料用ポリタン,ロープ用かご,ビニコンフェンダー,救命浮環,ライフスリング,箱メガネ,ウインチ,ティザー…出さないと燃料ホースの取り回しを変更できない。
 また,狭い空間との凌ぎ合いが始まる。ロッカーの容量は随分と大きいのにそれに比して開口部が小さすぎるのだ。僕の身長184cmではしんどいし,肩幅はかなり広いか出入りの際はバンザイ姿勢だ。

 ロッカーに入る前に,皿ビスが決まるかどうか確かめておく。
 何度も出入りは面倒だが,けっきょく10数回も繰り返していた。

 ナットで締め付ける。台座にネジを切ってあり,ナットは1個でもダブルナット状態となる。
 管が邪魔になるので延長ロッドを取り付けて回す。この工具セットはアンデスPeruvian Andesにクライミングに行った時にワラスHuarazの街で求めた物。もう20数年も前のことだ。

 蓋をするとこんな具合。

 ブランケットをロッカー内の壁に取り付けた。『Bonanza II』艇長,お手伝いありがとうございます。

 ロッカー内は整理がつかず,燃料ポリタンが取り出しにくい。
 なんとかこの状況を改善しないと,快適な洋上給油とは言えないね。

Friday, March 06, 2020

いろいろやったが中途半端やなあ

 早朝は風がよかったようだが,出港が9時半と少し遅すぎた。1時間でセールがのたりくたり。先程出てきたヨットはジブをしまい,機帆走に変えたのかな。
 帰ってメンテナンスをしよう。
 出港してきた『kouhei II』さんに挨拶。お久しぶりです。

 久しぶりにタップを立てるが,タップが錆びてしまって何mmか分からない。真鍮ブラシで表面を磨くと薄っすらと刻印が見えてきた。これだ。脈略もなしに脳味噌もたまに磨かないといけないなんて考えてしまった。
 計3箇所に立てる。肝心のボルトは,1本しかなくしかも長過ぎる。明日港に来る時に買い求めよう。

 他にもやることはいっぱいある。
 メインセールを揚げるときに今日もやけにスライダーが引っかかった。スライダーの蓋をタイトにして少しは改善されたと思っていたのだがなあ。

 スライダーごとにここで引っかかっている。鍔のようなものが付いているからで,あってもあんまり意味はないのではないかしら。前のヨットのスライダーにはこんな出っ張りはなかった。

 ニッパで角を斜めに切り落とした。さらにヤスリをかけて滑らかにする。
 少しはマシになったか。
 揚げ下げして具合を確かめているところに『LEIA』さんがやってきた。コーヒーごちそうさまでした。
 漁船優先時刻を過ぎてから,太陽を浴びにセーリングに出かける。
 朝よりいい風が吹いている。やっぱり日が暮れるまで漂っとかんとあきまへんなあと次回への反省にもならないことを想う。

 1時間ほど楽しんだ。
 でかいヨット(43ft)はやっぱり艇速が出るなあ。

Thursday, March 05, 2020

助かりました

「うちに来てやったらええねん。」
との言葉に甘えて,『Wiz of Oz』艇長の所に行ってデッキフィラーの取付金具の工作をしてきた…で,ほとんど彼がやったわけですが。ありがとうございます。

 こんなポンチがあるなんて…知らなかった。片手でできるのがありがたい。マスト作業の際だってこれがあればハンマーを使う必要がなかったのだ。
 6mmの穴を開けるので,外周より3mm内側に大まかなガイド線を引く。6mmぐらいの間隔を開けて穿っていくが,あんまり神経質になることはなさそうだ(すでにある穴はもともとあったもの)。
 次にボール盤にドリルをセットして開けていく。回転(の速さ)と送り(の速さ)が一致するとスムーズに作業が進んだ。

 ニッパでバリを取ると大きな穴ができる。
 エアリューターで根気よく給油パイプの径に合わせて仕上げていく。歯医者のそれを大きくしたやつで,これを口の中で回されたらおそらく悶絶するだろうなあ。
(パイプの)付け根はテーパーがついているので,丁寧に何度も合わせながら調整していく。
 ここは僕一人だとおそらくエイヤッ!とやってしまうところだが,『Wiz of Oz』艇長は実に丹念に進めていく。

 きれいにできあがりました。

 デッキフィラーのブランケットへの取り付けは,タッピングでもいいしボルトナットでも可。

 今後の作業は僕の腕にかかっている。今回の丁寧な作業をぶち壊しにしないように,気持ちを引き締めて取り掛かろう。

『Wiz of Oz』艇長,お世話になりました。

Wednesday, March 04, 2020

給油口を移動させたい

 拙艇の給油口(軽油)はコクピット右舷,ガンネルとコーミングとの間に位置している。
 港で停泊している時は,雨がふらない限り燃料補給に困ることはない。
 クルージング中に軽油をポリタンから燃料タンクに継ぎ足すことはままある。ヒールしてデッキを海水が洗うような状況でも給油できるようにと,ポンプの先を工夫して入れられるようにはしてある。
 それよりもやっぱり給油口はコクピットロッカー内にある方がいろいろな状況のもとで補給する際も気を使わなくていい。
 ロッカー内にそれを取り付けるためには,ホースを移動させる必要がある。
 木板を整形してブランケットらしきものを作ろうとしていたが途中で止めた。あまりにひどい出来だからだ。
 それ以後さっぱり手を付けていない。そろそろ本気でやらないと,また面倒くさい給油作業が繰り返されるなあ…

 ホームセンターでアルミ板を探していたが,大きなサイズしか売っていない。
 金具のコーナーでL字形状のこんなものを見つけた。筋交いだろう。アルミではなくて鉄だから作業しやすいとは言えない。

Tuesday, March 03, 2020

微風の追手が苦手

 今日も似たような天気だろう,風はあんまり期待できないなあ。

 港内のさざ波は昨日とおんなじぐらい。昼には風は弱まるだろうから,それまで楽しめればいいかなあ。
 関空島北端の黄色浮標方向に船首をむけるとちょうどいい風向きで,これなら(風が)弱くてもそこそこ走る。
 欲を出して東側に回り込んだ。
 クォーターリーでしばらく行くが,やっぱり風見が回りだした。艇速は1ノット台で辛抱も切れてしまった。
 やっぱり上らせよう。
 今日は漁船が全く出ていないので好き勝手に走ることができる。神戸空港〜関空間を結ぶ高速船にだけ注意していればよさそうだ。

 またまた風が弱くなってきた。
 夕方まで乗っていようと思う気持ちは嘘のように消え去っていった。

『LEIA』艇でコーヒーをいただく。
 ごちそうさまでした。

Monday, March 02, 2020

春ですね〜

 南河内の山中は雲が厚い。路面はびっしりと濡れている。西側の空は山が邪魔をして見えないから,この後の天気の予想がつかない。天気予報では全日晴れると言っている。港に行こう。

 港内はさざ波程度。のんびり走るにはいいかもしれない。ベーンの羽根は大きい方を取り付けて出港した。
 セールを上げる時にスライダーがやけに引っかかった。
 グルーブの蓋が浮いている。そこにスライダーの庇のような突起がチョックストーンのように挟まっている。何度かコクピットとマスト間を往復したが,毎度まいどこんなことはやっていられない。戻ったら早速修理しないといけない。

 風はなかなかいい感じで吹いている。午後まで楽しめるかな。

 大きい方の羽根から小さめの羽根に替えた。失敗だった。
 この後また大きい方に替えたが,風はどんどん落ちていき,マストトップの風見がくるくると回りだした。
 網を引いている漁船は多い。よたよたと走っているわけにはいかないね。

 ピピと鳴ったら近くに船がいる…はずだったが,たまに出るこのアラート。
 気になるなあ。

 自己診断するとこの通り。
 再起動すると,何事もなかったかのように普通に作動しだした。

 風はよくなりそうもない。こんな日はメンテナンスするのがいいだろう。やることはたくさんある。

 あれっ?
 アース線が抜けている。末端はぼろぼろだった。防水対策をしておこう。

 オケラをワッチするがインはできなかった。
 なかなか厳しい状況が続いているが,今日は3エリアからチェックインがあったようだ。

 次はグルーブの蓋の処理。
 アルミマストにステンのネジは何回か取り外しているとすっかり馬鹿になっている。1昨年にブラインドリベットで留めた。古いリベットをドリルではつり,蓋を押さえつけるように,横にずれないように2箇所固定する。ぴったしくっついたようだが,実際にセールを揚げてみるまでは何とも言えない。

『LEIA』艇でコーヒーをごちそうになり,しばし雑談。ごちそうさまでした。

 明日も晴れるだろう。
 もっと長時間乗っていたいなあ。