Thursday, July 31, 2025

勇払マリーナへ オーバーナイト〜勇払マリーナ

 夕陽は嘘をつかない…その後ぐんぐんと晴れ上がってきた。月が沈んでからは星の独断場,今クルージング中最高の夜空を眺めながらヨットを進めた。

 夜明けとともにクリアな大気は,よどんだ湿気の多い空気に変わっていった。

 勇払マリーナ着岸は9時前。

 う〜ん…まぁいいか…

『sannaviki』艇長の知り合いのMさんが迎えに来られた。実はこのMさん,高校時代から何年も山道具を買い続けた『青穂山荘』が母体の山岳クラブ『青穂クラブ』の一員だった。名前は当時から知っていたが会うのは初めてだ。

 この雰囲気,最高ですね。

 シャワー後,お先に失礼。

 肉をやり始める頃にはそうとう出来上がっていた。

 Mさん,ありがとうございました,ごちそうさまでした。

〜オーバーナイト
勇払マリーナ着 08:50(170NM)

Wednesday, July 30, 2025

津波情報で走り続ける 釧路港〜オーバーナイト

 船が走る…夜半から船の動きが激しい。ビットの関係で舫を長く取ったのも原因かもしれない,その分のたるみも大きく前へ後ろへ大きく動くうごく。いまさら変える気にもなれず岸壁へのぶつかりはあんまりないので我慢した。

 薄曇りの中,本日の寄港地である十勝港(広尾)に向かう。

 iPhoneの地震情報アプリが警告を発した。何なに,地震だって⁉︎津波は…
 ばたばたする前にともかく飯は食っておこう。タクアン買ってキムパでも作ろうかと用意していたが,敢えなく敗退した。

 海苔も巻かず,ゴマもふりかけず,タクアンも刻まずそのままかっ喰らった。

 十勝港への予定ラインを越えても津波警報は解除にならない。このまま走り続けることにした。

 襟裳岬手前からけっこう吹き出した。僚艇も時々波間に隠れてしまう(ヨットは『オリオン』)。

 ワッチばかりのお供はお菓子で,ずっと菓子箱に指を入れ続けている。

 冷蔵庫からマカロニサラダをピックアップ,昨日作っていたらしい。晩飯はこれだ。

 周囲が明るくなってきた。好天の兆しか…

 ほらね、青空が…

 ガスの中,襟裳岬を回り込むと,急に大気が済んできた。

 夕陽に向けて進み続ける。今晩の好天は約束されたようなものだと自分に言い聞かせながら。

釧路港発 04:20
〜オーバーナイト

Tuesday, July 29, 2025

釧路でのんびりする 在釧路

  4時に目覚ましが鳴った。心地よい疲労感で寝落ちしてしまったらしく,朝なのか夜なのか分からなかった。

 朝飯よりコーヒーだ。

 昨晩地元ヨットマンの『FANCYBELLE II』艇長から対岸に移した方がいいと言われていたので4時20分には舫を解いていた。ほぼ満潮,乗り降りに支障はない。ほどなく『sannaviki』も移動を開始した。他艇はおいおい動いてくるだろう。
 6時過ぎには4艇とも移動完了した。

 昨日いただいたパンはハムトーストにして食す。4枚切りとかの厚切りは大阪だけかと思っていたが,今や全国区だね。ふわりとして美味かった。

 2週間ぶりのコインランドリー。風呂で着替えた下着の汗が乾かずにねとっとしている。さいわいカビは生えていなかった。
 ええっ⁉︎洗剤自動投入じゃないんだ。ヨットにあるのに取りに帰るのは面倒だ。壁に洗剤自販機があって助かった。10円玉4枚を入れる。

 洗濯・乾燥,計40分。Wi-FiがつながりiPhoneのバックアップも取れた。

 ヨットに戻って明日以降の航程をプロットしていると外から声がする。
「誰かいる?」
 ヨット関係の方かな…漁師さんでした。これから漁船がたくさん帰ってくるので,できれば間隔を詰めて欲しいとのことだった。台風避泊の心配もしてくれている。
 岸壁に定間隔に設置されている街灯に干渉しないように少しずつ詰めていった。

 防舷材が薄いのでMOO側よりは停めやすい。

『KAWASEMI』艇長から電話,釧路名物の【スバカツ】を食べに行かないかと。躊躇する理由なし,ぞろぞろ4人で出かける。

 生大で乾杯(『sannaviki』艇長は断酒している),どこでもサッポロが飲めるしあわせ…

 メインの【スバカツ】。一口食べてからは下品なぐらいに粉チーズをかけ,タバスコを振る。熱々、ボリュームたっぷりのパスタ,ごちそうさまでした。

 ヨットのメンテナンスもしておかないといけない。Vベルトの弛みが少々大きい。

 クイックバークランプを使うと,張り過ぎないテンション具合がよろしいようです(きつくやると器具が壊れてしまうものね)。

 13時過ぎから続々と漁船から入ってくる。

 昨日とは大違い。朝,岸壁で会った漁師さんの言う通りだった。(ヨットを)詰めておいてよかったよ。

 街を散策しよう。

 ここから見る夕陽が最高だと言う。晴れていなくて残念だが,この曇り空こそここの風景だと思えばそれもまたよろしいかな。

 小料理屋は小路にあるという概念からなかなか離れられずにいる。

 この店,気になるなぁ…もちろん小路ではなく普通の道路に面している。

 夕方『FANCYBELLE II』艇長が来られた。ヨット四方山談義,僕のような初心者にとってはためになる話が多い。早回りのようなヨット旅より,のんびり港・泊地を楽しむのがよろしいようですね。
 サックスの音が聞こえてくる。誰か吹いているのかと外を見た。

 美しい夜景が広がっている。昨日は対岸の店にいたから気付かなかったのだ。

⛵️釧路港

Monday, July 28, 2025

風弱く曇り空の中を釧路港へ 霧多布港〜釧路港

 港内の岸壁は見えている。フォギーデイかもしれないが視程は充分だろう。
 弱い風が船体をずっと岸に押しつけている。 のでアンカーロープを引くのに少々力がいった。

 今日の航程は50NMぐらい,平均6ktが出ればうれしいなぁ。

 時折り濃くなる霧,ブイが捉えられているかとレーダー映像を見ると,しっかり写っている。海況(波反射)に合わせての調整が大事だなと感じた。

 前を行く『オリオン』。

 ほっ,青空が見えてきた。

 根室以降,海から見る大地はこんなふうに平らな地形が多い。

 MOO前に着けた。ずっと,釧路に来たならここに停めたいと思っていたのだ。

 防舷材の出っ張りがフェンダーに引っ掛かりスマートな着岸とは言い難かった。

 歩いて5分の『天空の湯』へ。料金は1,000円とお高め。

 露天風呂の湯温と気温の差がちょうどで気持ちよく入浴できた。さすがはホテル,エアコンが効いているおかげで風呂上がり,脱衣場でも再び汗をかくことはなかった。

 目の前の『岸壁炉端』で一杯やる前に大事な儀式が待っている。

 落石漁港でいただいたカニの身がまだどっさり残っている。『KAWASEMI』艇長が腕を振るう芙蓉蟹で缶ビールを1本だけ空けた。

 さあ,いよいよ乗り込むぞ。

 海側,ヨットを見ながらやる。炭火の発する熱気は自然の風が追いやってくれる。いやー,最高ですね。

 すぐに満席になりましたよ。
*写真は『オリオン』艇長からいただきました。

 チケットは前売り制の1,000綴。

 3セット消費でほぼ満足。まだまだ飲み食いしたいが明日に回そう。

 夜景に映えるヨットかな。

 自艇に戻ってびっくり,ハッチの上に袋,中にホテルブレッド2斤が入っていた。塩竈の『フェニックスⅢ』艇長が会ったらよろしくと言っていた方かな?
 名刺が入っていた。予想通り釧路外洋ヨットクラブの『FANCYBELLE II』艇長でした。留守にしまして申し訳ありません。ネームプレートを出しておくべきでした。差し入れありがとうございます。

霧多布港発 04:20
釧路港着  12:30(46NM)

Sunday, July 27, 2025

ここらで連泊 在霧多布港

 港内の岸壁が見えない。バウが見えないほどの濃霧ではないが,昨日から本日沈殿と決めている。

 しばらくすると雨が降り出した。じとっとした重い空気がキャビンにも入ってきそうであわててハッチを閉めた。

 することもないので朝飯を食う。あらっ,パンが切れているじゃないか。あと2枚残っていると思っていたのになあ。

 野菜ジュースに野菜サラダ。このジュースであるが,リンゴが入っているらしく妙に甘い。少し苦味があるのを期待していたんだがなぁ。

 暑くなってからはもっぱらボトル入りのコーヒーを飲んでいた。涼しいし時間はたっぷりあるので久しぶりにコーヒーを淹れた。

 香りがキャビンに充満する。ドリップ後もフィルターごとギャレーにしばらくの間,置いておく。

 落石漁港でいただいたタラバガニを『KAWASEMI』でほぐす。おそらく『KAWASEMI』艇長の頭のなかには,メニューのイメージができているのだろう。

『sannaviki』艇長お手製のパスタ(ミズダコ)ができたのでとりあえず1回戦。『KAWASEMI』艇長はタラバガニの冷製パスタ。僕はタコとキュウリの酢の物。

 ギャレーで『KAWASEMI』艇長が何やら作り出した。

 オイル交換で出遅れた『オリオン』艇長も加わり芙蓉蟹をいただく。ごちそうさまでした。
 タコ飯の出番はまだない…

 岸壁で漁師さんと30分ばかり雑談,このひと時が実は楽しい。
「バンド舵かぁ」(確かそう言ったと思う)
『オリオン』を見て、
「あっちはラットかぁ」
 ヨットのことから家族のことまで初めてとは思えない会話内容は,帰阪してからきっとよみがえってくるだろう。
 セコマで買い物をしてから,米を炊いた。

 2合にしておけばよかった…3合では…タコが埋没しておるではないか…いや,よく見ると身が縮んでおるのであった。

『オリオン』艇長が唐揚げを作ってきた。これでミズダコ三昧もおしまいですね。ごちそうさまでした。

⛵️霧多布港

Saturday, July 26, 2025

ガスの中を霧多布へ 落石漁港〜霧多布港

  ガスが濃い。次の寄港地霧多布へは航程20数NM,10時に出たって14時台には着くだろう。急いで出ることもないとのんびりした。

 メインシートの毛羽立ちが気になる。太さに長さびったしのロープがあったので交換する。ジブシートと同じ色と柄だけれどそこは我慢だ。

 岸壁が賑やかだ。『KAWASEMI』の前にトラックが停まっている。漁師さんと何か喋っている…

 な,なんと,ミズダコの足4本(ヨットが4杯いるかららしい),タラバガニの差し入れだった!しかし,足,でかいよね。ありがとうございます。

 今日は1日中ガス,明日はもっと濃い予報らしい。10時に抜錨,防波堤も見えない中,港外に出た。

 船影は『オリオン』。

 レーダー調整をし,ニューペック頼りに進む。

 ブイを拾っているので操船に少し余裕が出てきた。
 
 ガスは濃くなったり薄くなったりを繰り返している。

 ガスが薄くなった。振り返ると『KAWASEMI』,『オリオン』,『sannaviki』の3艇が見えた。

 霧多布岬が見えたら港口は近い。

 根室もそうだったが,ここも平らだなぁ。

 先に入港した『よじ』が岸壁西端に停める。

 岸壁がただれてなくてよかった。チェーンは要らない。

『オリオン』艇長と2度目の到着ビール,実はすでに自艇で飲んでいたのだよ。

 オレンジ色が目立つよね。

 アンカーを打って安眠確保。ブルースアンカーの効きはよろしいね。

 Googleマップによると入浴施設までは徒歩18分でかなり遠回りしているように見える。丘の上までダイレクトに上る道があるはずだ,が,見つからない。

 霧多布神社。誰だ,午後にはお詣りしないなんて言っていたのは…

 着きました。

 港を眺めながらの入浴が最高でした。

『KAWASEMI』艇長はこの道を通って来たらしい。

 クロネコがくつろいでいたが,まるで道案内をするかのように何度も振り返りながら下の街まで先導してくれましたよ(そう思えば楽しいからね),ありがとう。
 道案内を終えたネコはやがて住宅地の塀をくぐって去っていった。
 ほんの少し先の道路を悠然と横断している動物がいる。尻尾の中間あたりが太い,顔はしゅんとしている…あれはキツネだろう。

 本日のメインイベントはタコしゃぶ。『sannaviki』,『オリオン』両艇長の包丁捌き冴え渡り,ずらりと皿に並ぶ。昼間知り合った横浜のヨットマン(北海道反時計回り中)の『Compania2』艇長も来られて賑やかな夕食となった。

 鍋から昆布のいい香り,出汁は『KAWASEMI』艇長渾身の作。美味しゅうございました。ごちそうさまです。

落石漁港発 10:00
霧多布港着 14:30(23NM)