Sunday, August 27, 2017

涼しい風はよかったが,西陽は暑かった

 終電で帰っちゃいかん。次の日の行動が制約されてしまう。起きたのは7時で,最近このパターンが多すぎる。休日の前は飲まないことだ。

 9時には出港しよう。
 コンビニでフライドチキンを買うのはいつものことだが,今日はアルコールは抜きにする。
 港についても涼しい。準備をしていると,ひょっこり朝子が現れた。夏のクルージングは反省することが多かったのと,圧倒的に乗船時間が短いのでなかなか思うように走れないようだ。
 離岸した後は彼女におまかせの楽々セーリングが待っている。

 津名方面へはいい風で行けそうだ。関空島を北側から周る。
 北西面まではよかった。そこからだんだん風が弱まり,艇速も1ノット台に落ちることもある。我慢していたが,これでは津名には着けない。南下してジャイブするのがいいかもしれない。
 
 風は益々弱まる。AIS情報を見ると,深日沖に『日本丸』の船名が見えた。あいにく微風の真追っ手でさっぱり進まない。ようやくエンジンの力を借りる。
 
 抜錨のタイミングに出会ったようだ。右舷前方からのショットが欲しかったが,船首を左に振った。次はどこに行くんだろうね。

 泉佐野までは8マイル強。西陽を受けながら,ジリジリと焦げる肌にそうまだ8月なんだとあらためて思う。

いい風を求めて西北西へ。

船型がユーモラスだ。吃水以下の形状が非常に気になる。

反対側に回ってみよう。人影が見えるので甲板で訓練中ですね。

右舷からもっと近づこうと思っていたら走り出した。タイミングを少し逸しました。

アンカーがようやく上がりきるところです。この後洲本方向に行きました。

Saturday, August 26, 2017

出遅れました

 何時頃かは分からない。騒々しい雨の音で眼が覚める。暗いのでまだ行動時間ではないと自分に都合のいい理由をみつける。十分に睡眠時間は取れるだろうなぁ。
 小窓から吹き込む風がカーテン代わりの布切れを吹き流しのように内側になびかせている。ときおり雨粒が腿にかかる。このぶんじゃしばらく降り続くだろうな。何の根拠もない予想が更に身体をベッドに縛り付ける。
しまった!いくら何でも寝過ぎだ。

 港に着いたのは10時前だったが,朝方の雨の影響か誰も来ちゃいない。春から気になっていたことは,GPSプロッターからの位置情報を接続された他機器が受け取っていない状況だ。接触不良で同じような状態になったことが何度かある。機材の間にあるボックスを開けた。それぞれを確認するがどこも断線していないようだ。
 さて,どうしたものだろう。
 !
 突然,閃いた。
 そうそう,なかなか衛星を捕捉しないのでオールリセットをかけたことがあった。その時,NMEA欄にチェックを入れてなかったのではないか。
 全くおバカな数ヶ月を過ごしたものだ。

この箱の中の線が接触不良かな…調べてみたが異常なし…

GPS衛星の捕捉が遅かったので,オールリセットした後,設定を戻すのを忘れていたらしい。原因が永遠に分からない状況からは逃れられたのでよしとするが,つくづく馬鹿さ加減に呆れる。

Thursday, August 17, 2017

行ってよかった

 りんくうタウンに工具屋ができたと随分前に『浮浪雲』さんから聞いていたが,今日ようやく店に行ってみた。工具は揃えだしたらキリがないようだ。取り敢えず,このところの作業であれば便利だと思った物を購入した。

 むっとするキャビン。前部のハッチを開放に行く。あれ,二つともロックしていない。雨水の侵入はなさそうだ。整備に来てよかった。

 ソーラーパネルのコネクターは防水仕様であるが,テープで巻いておいたほうがよいとのアドバイスを受けて,早速,作業にかかった。計8箇所を自己融着テープで巻いておく。

『Wiz of Oz』艇長から提供を受けた予備ティラーをオリジナルのものに交換してみた。あまりにもメインシートに近すぎて,身体の置き場所を考えないといけない。いろいろと使い勝手を探って,また元に戻すかもしれない。

 次に火曜日に帰港した際,軽く床掃除をした時に発見した穴の確認だ…何の穴なのか分らないのは結局僕だけで,ネットの向こうのヨット仲間はすぐに気が付いていたらしい。またまた,恥を晒してしまった。その時,ついでにロッカーの蓋を開けると,夏のクルージングに必携の麦わら帽子がボソッと落ちてきた。あまりのボーンヘッドに呆れる。

 みなさん,色々とアドバイスありがとうございました。

もう何度も開けているはずなのに,こんな穴があったことを認知していなかった。

ヨット仲間が直ぐに回答を出してくれました。排水のための穴でした。ホースが見えます。

寒冷紗をかけていれば,日差しが遮られて作業しやすい。西陽の当たる頃,ちょうど風も吹き出して,汗も乾いた。

また来ます。

Tuesday, August 15, 2017

最後まで降られずによかったよ

 時折カンカンと音がする。
 バタンという音は最初何の音かわからなかったが,ラダーがスターン側から吹く風に押されて発する音だった。
 いつもならメインシートはセーフティラインにかけ直すし,ラダーも風が吹いても船首が岸壁とは反対側に向くように固定する。それがゆるゆるになっていた。

 ヨットを停めているところだけ風が通り抜けるのでビュービュー音がなっているが,ほとんど風はないだろう。『みちしおの湯』まで行って,トイレを済ませる。案の定,風は弱い。

 航海灯がいるかいらないかぎりぎりの明るさで舫を解いた。
 港内でメインを揚げ,変針点でジブを広げた。朝から気持ちよく走る。欲を言えば,もう少し吹いてくれるとかっ飛べるのになあ。

 少し出るのが早過ぎたので,加太瀬戸の転流に丁度になってしまった。十分に時間を考えながらゆっくり走ったつもりだったが,引っ張られる恩恵も,押される恩恵も受けることができなかった。
 泉南の山の方は灰色に染まっている。きっと雨だろう。僕たちも少しぱらりとやられたが,すぐに止んだ。

 さっきまでジブがピンと張っていたのに,バタバタしだした。風見を見ると真正面を向いている。ジブをたたんで,エンジンの回転を上げた。
 関空橋手前でメインもシバーしだした。ストッパーを切るとストンとメインセールが落ちた。もうホームポートはすぐそこだ。このまま帰ろう。

 泉佐野の港は昨日までいたところと比べると格段に暑い。
 でも,その暑い夏もやっぱりいいなあ。

方杭漁港発 05:20
佐野漁港着 12:40

よかった~真上りじゃない。

余った食料は食い尽くさんとあきません。納豆3パックでやや満足。

加太瀬戸を越えてからは,上りになった。

午後からは本格的に降る?まあ,夏やからそんなにあせらんでもよろしいが,取り敢えず急ぐ。

これをくぐったら,ホームポートはすぐそこだ。

水洗いしてから,CRCをかけておく。未だにクライミングギアのメンテナンスの癖が抜けない。

Monday, August 14, 2017

方杭でのんびりしました 方杭漁港

 6時に出る予定だったが,方杭の青い海が呼んでいる。『Wiz of Oz』さん,『Blue Lagoon』さん,朝子の見送りを受けて,1時間早い出港だ。

 風は期待薄。ただひたすら方杭を目指す。

 白崎海岸を写真に撮るが,逆光で出来が悪い。
 由良沖に3艇のヨット。入れ替わりに僕たちが方杭に入れるのかな。

 岸壁に縦に並べる。後から,『ごんべ』艇がやってくるはずだ。僕の艇に横抱きすればよい。
 着いたらお互いにやることは決まっている。忘れないうちに燃料補給とエンジンルームの点検。しばらくしてからオイルの残量をチェックする。異常なしでほっとする。

『Bonanza II』君は,はや水着に着替えて泳ぐ気満々だが,取り外し可能のラダーがうまく機能しないらしく,僕の艇から乗り降りすることにした。
 プロペラを点検して一安心。

 若い子たちが岸壁で騒いでいる。飛び込むにはちょっと怖い高さらしい。ここはひとつ勇気づけるために(飛び降りる動作とは何の関係もないことなんだが),
「海から上がる時は(ヨットの)ラダーを使っていいよ。」
と励ます。
 俄然この言葉でやる気になったようだ。ドボン,ドボンと音がし,しばらく泳いでからラダーを攀じ登ってくる。どの子も礼儀正しい。きちんとお礼の挨拶をして通り過ぎる。
「何度でもいいよ。」
と言っておく…しばらくこの遊びが続いたようだ。

 沼島経由で『ごんべ』艇がやってきた。
 ビールを差し出せばいいのだろうが,もう品切れだ。かわりに彼らからビールを頂く。これでは全くあべこべだ。ごちそうさまでした。

 少し早いが,『みちしおの湯』に行く。この港に来る価値はこれにある。比井まで行かないと商店もないので同じ施設内の食堂で食うしかない。
 遅れて,『ごんべ』艇一行もやってきた。

 ヨットの入れ替えをする。
 僕たち2艇は明日5時過ぎには出る。横抱きしている『ごんべ』艇を岸壁に係留しなおして,『Bonanza II』艇を僕のヨットに横抱きさせる。

 19時すぎから拙艇でささやかに宴会。先輩ヨットマンのためになる話は聞いておかないといけないなあ。

加太港発  05:00
方杭漁港着 08:40

朝はこれがいい。暗い中,段々オレンジ色が強くなってくる。そしてグレーからブルーへと空全体が変わる。

太陽の光を受けて,セールがオレンジ色に染まった。

やっぱりこうなる海面。風を期待してはいけません。

ほっ,空いていていよかった。多くて3艇しか停泊できない。

ここはいつ来てもきれい。底の敷石まで透き通って見える。『Bonanza II』君は,ペラの確認がてら,泳ぎだした。前エンジンのスカンピは深い位置にプロペラがあるので,岸壁からは確認できない。

Sunday, August 13, 2017

小鳴門から加太へ 加太港

 ゆっくり起きればいいはずなのにみんな早起きだ。
 6時半に朝子がやってきてカムクリートを付ける手伝いをしてくれる。ボルト締めの作業は外と中の2名いると段違いにはかどる。作業の半ば,『Wiz of Oz』艇長がやってくる。船体とロープの擦れが気になる。アルミ缶を利用して擦れどめを作製してくれた。ありがとうございます。
 キャビン内で片付けをしていて,そろそろ出るかなとコクピットに出て見るとみなさん舫を解いて港を出ようとしている。僕も後を追った。
 鳴門の転流は12:45,そこから南流に変わる。転流1時間前には入り口にいるのが望ましいが,だいたい僕は2時間前に入ることにしている。入り口には11時に着いていればいい。

 少し早く出たものだから,時間調整のため,みなさん,セーリングを楽しむ。

 いつ通っても気持ちのいい小鳴門。景色がどんどん変わっていくのが楽しい。

 小鳴門を出てからも,いい風に恵まれた。

 加太の港に着いたのは涼しくなってからで,いつものように片付けで汗まみれになることはなかった。
 いつも利用する『ひいなの湯』は日帰り入浴者向けの営業時間は15時まで。今日は少し歩いて,銭湯に行く。
 ここも三本松の銭湯同様に,赤蛇口から出るお湯は触れないぐらいに暑い。青蛇口を開け,混ぜながら様子を見る。

 風呂に入って,お次は宴会。あいにくお目当の店は,もう食材がなくなったらしく,出す物はないという。風呂の道中で見つけた店に顔を出す。
 普段は遅くまでやっていないが今日は例外的に開けていたらしい。「これサービスです。」と何品か頂く。ありがとうございました。次回,加太に来た時もこの店にしよう。

 明日は,2艇は加太瀬戸を越えてそれぞれのホームポートに帰る。僕と『Bonanza II』艇は,方杭まで行く予定だ。

三本松港発 08:10
加太港着  16:30

星の数だけセーリングしよう。

いい風が吹いている。『Blue Lagoon』艇も気持ちよく走っています。

みなさん,思い思いのセーリングを楽しんでいます。

小鳴門入り口(瀬戸内側)にやってきた。転流1時間半前なので,まだまだ潮が進行方向からどんどん押してくる。

小鳴門出口。赤の右舷標識を左に見て出る。真ん中を通るとオン・ザ・ロックですね。

並走してきた『Blue Lagoon』さんから,よく冷えた豆腐をいただきました。当然,冷奴にして食べました。

なんかおる_その1。網でも仕掛けてあるんかな。

なんかおる_その2。あんまり見つめんといて。

なんかおる_その3。こっちを見ているように感じるのは,自分のヨットが進んでいるからなのですが,じっと見られていると助けたくなりました。

加太の港まで連れてってあげますよ。

ようやくありつけました。

Saturday, August 12, 2017

金毘羅詣りは琴電で

 JR高徳線から志度で琴電の始発に乗り換えた。JR1本で行くよりも琴電を併用した方が圧倒的に安い。
 途中にある沖松島は僕が幼少の頃過ごした街に一番近い駅だ。幼稚園に入る前は自由だった。朝から晩まで外歩きをしていた。貯木場は格好の遊び場で丸太の上に乗ったり,岸壁から竹竿を伸ばして意味のないクラゲ取りに熱中していた。広範囲の地域をくまなく歩いていたというのは錯覚で,幼い頃の地理感が狭小であることの証拠だ。なんのことはない同じ町名の街中をうろついていたにすぎない。

 瓦町で乗り換えた。エアコンが効き過ぎで下車した時の反動が怖い。
 ところがどうだ。琴電琴平駅を風が吹き抜けている。
 涼しさはいつまでも続かない。参道途中から風がピタリと止み,蒸し暑さい空気が身体を包む。
 4艇とも金毘羅さんの海上安全旗を買って引き上げた。

 門前でうどん。メインのうどんは三本松のうどん屋に決めている。さっさと片付け,来た通りの交通手段で戻る。

 メンテナンスをしているとコンコンと船体を叩く音が聞こえる。
 バウハッチから顔を出し,
「誰か呼んだ?」
と声をかけるが,返答がない。コクピットに出て見ると海面が波立っている。朝子が船底チェックをしてくれている。ありがとう,お世話になりました。
 特筆すべきは,昨年同様に『BonanzaII』艇からペラに絡んだロープを回収したことだ。お世話になりました。ありがとうございます。

『志よ乃湯』に行き,『あうん』で晩飯。『えびす屋』に行く頃にはすっかり酔っちまってウェーイ…

始発駅より乗る。瓦町で乗り換えて琴電琴平駅まで。

泳ぐのが大好きな朝子が4艇の船底を点検してくれました。ありがとう。

【ばくだん】とメニューにあったから頼んだが,気に入りました。

Friday, August 11, 2017

瀬戸内は今日もべた凪 三本松港

 起きた時は確かに降っていなかったと思う。朝飯の用意をして,ふと海面を見やるとぽつぽつと,雨が水面に落ちてできる円がいくつも見られる。雨雲レーダーで情報を見ると,単なる通り雨らしい。出発するのはもう少し後かな。ゆっくりするのは嫌いなくせに怠惰な気持ちが満ちてくる。
 そう,今日の目的地はたかだか30マイル先だ。遅く出ると潮に押されるのは分かっている。でも,ほんの少しの我慢でそれは解決できるはずだ。

 ゆっくりと朝食をとり,航海灯を必要としない明るさになった頃,舫を解いた。

 沖合いの赤ブイを右側から抜けて,本船航路をできるだけ短く横断する。左舷からは数艇連なってきている。右舷からは1艇。左舷の先頭艇が変針した。ありがたい,取り敢えずこのまま行けば航路に入れそうだ。

 べたべたの海をエンジン頼りに走る。三本松沖のでかい網を大きく迂回して港の入り口に船首を向けた。あと2マイル以上あるが,メインを下ろす。情けないほどよたよたしていたセールはやっと行き場所を見つけたかのようにブームの上に収まった。

 日除けをセットしたり,エンジンチェックしたりしていると,ブッとVHFから雑音が聞こえた。コールをするが返事はない。防波堤まで行くとヨットが見えた。泉大津の『BlueLagoon』艇だ。一旦艇までカメラを取りに戻った。ゆっくりしすぎたのか『Blue Lagoon』艇はもう港内に入って着岸の準備も終わっていた。

 お約束通りビールで乾杯。
 ぐだぐだしているとスピーカーから『Wiz of Oz』さんの声が聞こえてくる。もう近くにいるらしい。防波堤に上って確認して見ると遥か沖合いに2艇見える。まだしばらくは来ないなあ,再び飲み続ける。

 そろそろかなと岸壁に出て見ると,マストが1本,続けてもう1本。今日,泉佐野を発ってきた『Wiz of Oz』艇と『BonanzaII』艇だ。暑い中お疲れ様でした。早く着きましたね。
 拙艇で乾杯。無事の集合を祝う。

『志よ乃湯』は16時に開く。汗を流し,さっぱりしてからJR高徳線で三本松へ向かった。
『やき鳥』は駅前にある。開店直後だったのか,余裕で入れた。美味い焼き鳥にビール,酎ハイ。
 続々とお客さんが入ってきた。長居は無粋,1時間で切り上げ,再びJRで三本松に帰る。

 岸壁で2次回をしたが,睡魔が襲ってきた。みなさん,おやすみなさい。

牛窓港発  05:10
三本松港着 11:00

変針してようやくジブが出せた。全部出すと視界が悪くなるので,コクピットに座ったままで前方が見えるぐらいまでは小さくしておく。

5月に見た小豆島~高松間のフェリーには確かキリンが乗っていたが,今回はパンダらしい。小学1年生の夏までは高松に住んでいた。栗林動物園には何回も行ったなあ。

そしてお約束通りのとろんとした海。ドン吹よりはいいんですけれどねえ。

あっけなく三本松に着きました。手前には(おそらく)1年中網があるようだ。

泉大津より『Blue Lagoon』さんがやってきました。暑い中お疲れ様でした。ビール冷えていますよ。

予定よりずいぶん早く泉佐野の『Wiz of Oz』艇がやってきました。朝子の操船は上手くなりましたかね。

同じく泉佐野の『Bonanza II』君がやってきました。去年は違うヨットでしたね。

Thursday, August 10, 2017

来たかった牛窓へ 牛窓県営桟橋

 11日に三本松でヨット仲間と会う約束がある。
 湊からどこへ行こうかと考えていたが,まだ着けたことない港,やっぱり牛窓に行こう。小豆島を北から回って,明日は南を抜ければ楽しいかもしれない。

 湊の漁船は4時55分に動きだした。船溜りは最奥にある。手前に停めている僕にとって曳き波が心配だが,昨夕もそうであったように,ここの漁師さんたちはみなデッドスローで帰ってくる。果たして,出港の際も同様だった。なんだかとても気持ちがいい。

 プロッターに昨日の航路が残されている。その通りに出た。沖合いまではショートカットしない。
 本船航路を横切ったあたりからようやく風をつかまえることができた。
 弱い風なのでエンジンも併用して進む。ジブが展開できただけでも御の字だ。

 小豆島の北を回る。グイッとヒールするが,ほんのいっときですぐまた真上りになる。

 牛窓瀬戸で少し潮に押されて艇速が落ちる。早い時間に通過できてよかった。
 県営桟橋の左側に舫う。右は忙しくボートが発着岸を繰り返しているし,その隣のフェリーの引き波がすごいので論外だ。

 観光案内所があった。表にはトイレもある。しかも24時間使えるのがありがたい。
 案内所の裏の通りに小さな食料品店が2軒ある。そのうちの1軒を覗く。惣菜があるが数は限られているだろう。
「これ夕方に来たらまだありますかね?」
「取っておきますよ。」
 これで酒のアテは確保できた。

 風呂はないと聞いていたが,FBのヨット仲間から有益な情報が入って来た。涼しくなってから出かけよう。ただし遠い。

 行く前に先程の食料品店に立ち寄るが,閉まっている。他のお客さんも来ていたが,どうやら配達に出かけているらしい。

 牛窓マリーナまでは歩いて30分。ゲストシャワールームが施錠されていた。貼り紙を見ると16:30が最終受け付けらしい。僕が着いたのは16:50,失策だ。たまたまトイレにいた青年に
「使えないの?」
と聞くとここの職員だったらしく,
「いいですよ。」
と快諾される。2階まで行って鍵を取って来てくれた。ありがとうございました。

 ゆっくりと歩いて帰る。
 小さなスーパーマーケットがあったが,欲しい惣菜はなかった。コンビニでスパークリングウォーターを買い,歩き飲みする。
 造り酒屋があったので地酒を1本買う。

 案内所の裏のもう1軒の小さな食料品店で食材を買う。惣菜を取り置いていてくれた店にも立ち寄り,受け取る。四方山話をするが,隣は銭湯だったらしい。街の風景はどんどん変化していくが,寂れていくのは寂しい限りだ。おまけにお目当の飲食店は2軒とも休業日だ。

 コクピットで夕陽を眺めながら,先程購入した牛窓ビールをやる。あては2軒の店で購入したフライと天ぷらだ。

南あわじみなと海の駅発 05:40
牛窓県営桟橋着     11:50 

着いた時にいた本船は夜中に出ていったらしい。次回に係留するなら,後ろの公共岸壁のはじっこあたりかなあ。

空が青い。この時刻ならまだ気温はそれほど高くない。早起きして距離を稼ぐのが得策ですね。

ダム右手に見えるのが吉田の岩場。登りに行ったのはもう30年以上も前になる。花崗岩の岩肌が,frictionがよくて気持ちがよかった。スラブありクラックありでなかなか楽しいクライミングだった。

牛窓瀬戸の東からの入り口。少々押され気味。遅くなるともっと押される。よかったあ。

牛窓港の入り口。お目当ての県営棧橋はどこかな?

停めました。ポンツーンは楽でいいですね。ビール飲んで昼飯にしよう。

空いていてよかった。縦に2艇はきついかという感じ。横抱き2艇も,岸壁に着けるボートありで難しそう。棧橋右側は前島とのフェリーが頻繁に往復するので進められない。水上タクシーのようにボートの発着岸も多い。

そんな場所だったんだ。街キネマも各所で閉館されている。娯楽の形式が変わってからもう何十年も経つ。

案内所裏のパン屋の看板がかかった店は,食料品店で酒類も置いている。