Monday, August 15, 2016

なかなか終わらせてはくれません

 できるだけ涼しいうちに泉佐野に着きたいので出港は5時だ。
 準備をしていると『KANALOA』さんがやってきた。どうやら無事にエンジンがかかったらしい。おめでとうございます。
 予定通りに4艇とも出港した。
『Blue Lagoon』艇は泉大津へ。拙艇と『Wiz of Oz』艇は泉佐野へ,『KANALOA』艇は本荘へとそれぞれ帰る。楽しいひとときでした。みなさんありがとうございます。

 泉佐野に着いた。
 水揚げ場でクルージングの垢を落とす。そこへ『Bonanza』君から電話がかかってきた。エンジンの調子が悪く回転がばらつくらしいい。
 島に行くと「乗ってきよんで」とは芳養漁港の漁師さんから聞いた話だったが,本当かもしれない。
 時刻はちょうど南流最強だ。そこをしのいだとしてもこの風では着くのは難しい。僕の艇はオイル漏れが激しく朝からすでに1Lは消費している。『Wiz of Oz』さんが艇を出してくれた。港にいた『COSMO』さんも同乗してくれた。みなさんありがとうございます。

 加太瀬戸途中で『Bonanza』艇を視認した。ロープを流し引っ張る。『Wiz of Oz』艇のエンジン回転は2500rpm以下であまり負担がかかっていないのが何よりだ。

 16時近くに泉佐野着。予定を潰してまで助けていただいた『Wiz of Oz』さん,ほんとうにありがとうございました。突然声をかけたにもかかわらず同乗してくださった『COSMO』さん,ありがとうございました。

 最後は思わぬことになりました。始めから終わりまでヨット仲間のつながりがを感じさせてくれるクルージングでした。僕も誰かの役に立たないといけませんね。

洲本発    05:00
(旧フェリー乗り場港内着 09:00)
佐野漁港着 16:00

お疲れ様でした。

ともあれ無事でよかったです。

Sunday, August 14, 2016

今日は洲本まで 洲本港

 7時過ぎに,『Bonanza』艇が伊島に向かって出ていった。ご安航を。
 続いて『IZUMI』艇だが,オーパイの故障で朝から様子を見たが直らなかった。このまま泉佐野に帰港だが,これもまたお気をつけてお帰りください。

 友ヶ島水道の北流への転流時刻は13時頃で,僕たちの沼島発は11時頃でいいが,そんなには待っていられない。8時過ぎに舫を解いた。

 エンジン回転を上げずにゆるゆると進む。ゆるゆるのセーリングならいいんだけどなぁ。
 由良瀬戸で押すに押されて2ノット台が続く。ちょっと先にはそこからは風が吹いているという証の波が見えている。追っ手でようやくスピードが回復した。が,洲本はもうすぐそこだ。

『Wiz of Oz』艇一行はコインランドリーに出かけた。着いた時の基本点検が終わった僕は『Blue Lagoon』さんをボートピア建物内の食堂に誘う。ここは16時には閉まってしまうのでほとんど利用したことがない。
 生ビールを小鉢のあてでやっていると,『Wiz of Oz』さんから連絡が入った。知り合いの『KANALOA』艇がエンジン故障でセーリングで洲本にまもなく入るとの事だった。僕も一度日和佐でお世話になった人だった。
 残りのビールをグイとあおり,岸壁に出る。ちょうど今から入港するところだった。

 着岸は観ていてハラハラすることなんて全くなく,すべてがきれいに決まっていた。僕も怠けていないで練習しないといけないな。

 早速『Wiz of Oz』さんがエンジンの点検をする。バッテリー上がりの原因はベルトのスリップだ。『Blue Lagoon』さんがチャージャーを持ってきて充電する。バッテリは見事に生き返り,明日の朝エンジンがかかれば問題なしだろう。
 2本のスパークリングワインで祝杯をあげた。
 いやいや,セーリング着岸も泉佐野の「業者」さんも泉大津の「エンジニア」さんも素晴らしい知識と技量です。そのどれもが僕にはない。これはちょっとやそっとでは身につくものではないだけに日々の精進しかありませんね。

 いつものように『東光湯』につかって,『三平』で宴会。本日は伊島泊の『Bonanza』君に連絡をする。元気そうだ。
 明日はホームポートへ帰る。長い休暇も最後になるとやっぱり短かったなと思ってしまう。

沼島漁港発 08:15
洲本港着  12:15

この分じゃ風は期待できないね。
水蒸気が雲となって南淡の山を上っていく。海上はこれから晴れてくるだろう。

ぐんぐん青空が広がってきたが,艇速はさっぱり伸びない…

ポンツーンを避け,いつもの岸壁に着けた。
これより潮位は下がらない。安心して舫の長さを決めることができる。

そこまでねばりますか~
ジブもメインもまだまだフルです。

岸壁の手前でメインを下ろし,クルッと回転してポートで着けました。
手伝う必要は全くありませんでした。あまりの手際のよさにぽかんとしていました。
セーリングの離着岸はやっぱり格好がよろしいね。

Saturday, August 13, 2016

5艇で沼島へ 沼島漁港

 鳴門の転流は11時で,転流の最低1時間前には海峡の入り口に入っていないと抜け口がしんどい。三本松から小鳴門入り口までは16マイル。前夜,計算を間違えていたので7時発とみんなに言っていたが,6時には出たほうがいい。
 幸いみなさん早起きで出発時刻の変更を朝告げても問題にはならなかった。

 一ツ島を越えたら小鳴門方面へ船首を向ける。ジブを展開し気持よく進んだ。
 9時に小鳴門の北泊沖に着いた。『Blue Lagoon』艇のエンジンがトラブった時のためにバウに舫を用意するように『Wiz of Oz』さんが言う。念には念を。あんまり間隔を開けすぎないように滑りこんだ。小さな集落がある美しい風景が眼前に広がってくる。やっぱり小鳴門海峡は美しい。
 困ったこともなく,最後の赤ブイと緑ブイを定則通りに通過した。10時5分。遠くに大鳴門を越えてきた『Sabaay』艇の赤いオーニングが見える。

 沼島までは2時間もあれば着くだろう。
 風呂に入れないが,海水浴場のシャワーがある。さっぱりしてビールを飲むことばかりを考えていると港入り口の赤灯台がはっきりと見えてきた。

 また,誰かが潜りだした。港内でも底まで見える美しい海だ。
 僕はいつもの様にエンジンとオイルの点検をして,海水浴場に向かう。シャワーですっきりした。
 その後,午睡もせず,『Blue Lagoon』艇でいっぱいやる。真ん中の棧橋に停めた『Bonanza』君も『IZUMI』さんもやってきて,持ち寄りの材料でさらに盛り上がる。
 またまた大汗をかいたのでぞろぞろと海水浴場に向かったが,あいにく水道の栓が締められていた。
 帰りに『水軍』覗くと,ちょうど4名分のテーブルが片付いた所だった。カウンターも入れればみんな入れるだろう。ヨットに残っている仲間を電話で呼び出し,さらに一杯やった。
 僕は『Bonanza』君に,伊島行きを半ば強引に進める。天気はまだしばらく続く。こんな機会を逃す手はないはずだ。

三本松港発  06:00
沼島漁港着  12:50

この時刻は前から太陽を浴びても暑くはない。
風がもう少し強ければ余計に快適なのになあと贅沢ばかり言っている。

いつもならもっと押してくれる感覚があったのに,ほとんど流れがないのと同じだ。
艇速は出ないが,安全が何より。

『Blue Lagoon』さんの声に海面を見ると,シーカヤックが4艇。サポートボートが1艇。淡路島の南岸に着けるのかな。
僕も乗りたいと思っているが,上半身だけの運動になりそうなので躊躇している。これ以上下半身を衰えさせるわけにはいかない。

氷場前に着岸する。
いやはや暑い。明日の洲本はもっと暑いだろうと予想させるのに十分の暑さだった。

Friday, August 12, 2016

三本松で合流 その弐

 都志(淡路島)からやってくる『Wiz of Oz』艇は予定より2時間早く着くそうだ。
 しばらくするとVHFコールが届く範囲に入ってきた。もうまもなくだ。

 防波堤に行って手を振る。だんだん誰かと認知できるようになってきた。最後まで気を抜かずに。
 他艇のスペースを空けておくために『Wiz of Oz』艇を横抱きする。

 片付けを終えてビール,夏はビール,とにかくビール。
 
 買い物とうどん。
 肉屋さんを見つけた。買い物帰りは絶対にここでミンチカツを買おう。
 あいにくミンチカツはなかったが,豚カツと鶏のカツを買って大満足だ。夜は『IZUMI』さんが骨付鶏の店を予約しているのに,鶏のカツを買う馬鹿さ加減に呆れるが,肉ならなんでも好きだから仕方がない。

 本荘からの2艇を交えて,銭湯に行く。
 風呂あがりは骨付鶏をかぶりついた。

 明日は小鳴門を越えて沼島まで。いい景色が見られそうだ。

⛵三本松港

『Wiz of Oz』艇がやってきた。
暑い中お疲れ様でした。

お昼にみんなはうどん屋へ。
僕は少々食い過ぎなのでスーパーに行こうと思っていたが,途中にある昨日閉まっていたこのうどん屋が開いていた。
やっぱり食べました。おいしい。

午後の遊泳ではありません。
各艇の船底とプロペラを確認してくれました。ありがとうございます。
特筆すべきは『Bonanza』艇のプロペラに引っかかっていた電気コードの被膜を発見したこと。
そのままだと明日の朝トラブったことでしょうね。

少しは風通しが良くなって,ウインドスクープの真下にいると涼しい。

本荘から『Sabaay』と『SoulBoy』がやってきました。お疲れ様でした。
明日は阿波おどりヨットレースのために徳島まで回航です。

お持ち帰り専門だとばかり思っていたが,20名は楽に入れるテーブルがあった。
「若」か「親」かで注文は2分したが,両方食えばよかったと後悔した。

Thursday, August 11, 2016

三本松で合流 その壱 三本松港

 三本松には9時過ぎに入ればよい。それまではずっと潮流が味方してくれる。距離も短い。讃岐うどんが待っている。

 高松の街並みを右舷に見たら,小豆島へのフェリーに注意しながら進む。
 大島沖と兜島沖で変針。三本松沖のでかい網(今はないだろうが)さえ避ければ楽なコースだ。

 いい感じで風が吹いてきた。ジブを広げる。3艇ともぐんぐんスピードを増している。こんな快適セーリングができるとは思ってもいなかった。

 三本松沖には案の定ブイがまだ残っている。大きく迂回して港口に船首を向けた。
 がらがらの港にらくらく着けた。

 点検が終わったら,街へ出る。
 香川に来てうどんを食わないわけにはいかない。『Blue Lagoon』さんお薦めのうどん屋さんはあいにくの休業。少し離れた所に日祝営業のうどん屋さんがあったはずだ。

 スーパーの『マルナカ』でいつもどおりにビールとスパークリングウォーターの買い出しをした。おかしかったのは3人ともレジを通過する時だ。みんな「ワオン」と叫ばせている。僕のワオンも随分残額が減ってきた。

 僕と同じ泉佐野から『IZUMI』艇がやってきた。伊島に行く予定を変更して鳴門を越えてやってきたとのことだ。今日の宴会が楽しくなりそうだ。

 風呂の開店を待ってみんなで銭湯に向かう。熱い湯が汗腺をさらに広げて心地よい。

『あうん』には予め電話を入れておいた。カウンターなら空いているとのことで,今日の夕食はそこだ。
 ひっきりなしにお客さんがやってくる。『IZUMI』さんが,引田漁港の焼き鳥屋さんの話をしだした。聞けば聞くほど行って見る価値はありそうだ。
 タクシーを呼んでもらってみんなで移動する。タクシーの運転手さんにも,「引田の焼き鳥屋」で通じた。一体どんな店なんだろう。みんなの興味が高まってくる。

 さすが,『IZUMI』さん!目のつけどころが違う。素晴らしい焼き鳥屋さんだった。タクシーを飛ばしてきたことが無駄にはならない。『Bonanza』君は,生大を頼んで意気揚々としている。焼き鳥はことのほかおいしく,女将と大将のしゃべりもなかなか楽しい。
 1時間ほどで出来上がってしまい店を出た。目の前が引田の駅だ。ちょうどいい具合に三本松方面への列車がある。

 遠足気分で三本松に着けば,長い夜はビールとウイスキーが癒やしてくれる。

男木港発  05:15
三本松港着 09:05

男木島と女木島の間を抜ける。
女木島には高松に住んでいた頃,幼稚園の遠足で来たことがある。鬼の住んでいた洞窟がなんとなく恐ろしかった。

潮が押してくれて,艇速が伸びますね。楽ちんです。
『Bonanza』艇。

今日の干満の差も大したことはない。
ただし,暑い。

幼少の頃高松で過ごした僕はおでんには酢味噌と決まっている。辛子をつけて食べるのを知ったのはずいぶん大きくなってからだ。
ここのすじ肉がすごく美味しかった。柔らかすぎず硬すぎず。口に入れた時の大きさもちょうどよかった。

16時になったのでお風呂に行く。
ここの湯は熱くてよろしい。赤い蛇口をひねると絶対に水色の蛇口もひねって,うすめないといけない。最近の銭湯のお湯はやっぱりぬるいと思う。

三本松といえば『あうん』。
鯖の造りがあったので大満足。初めて食べたのは,クラゲの造り。食感は中華くらげと似ている。
店は満席で,次から次へとお客さんがやってくる。1時間ちょっといた間に断られるお客さんが多数いた。取り敢えずカウンターが空いていてよかった。

『やき鳥』という名の焼き鳥屋さん。
絶対に探せないだろう店だ。『IZUMI』さんの目の付け所が素晴らしい。

JR高徳線で三本松に帰る。
旅情がさらに高まる。

Wednesday, August 10, 2016

東へと向かう 男木港

 潮流に乗り,楽して男木島まで行こう。
 予定通りにほんのり海面が見えるようになってくる時間に出港した。僕のヨットのエンジンは1500rpm~2000rpmまでは干渉音(?)らしきものが聞こえるので使わない。『Blue Lagoon』の艇速に合わせて行ったり来たりして伴走する。

 斜めに入って距離を稼がずに,本船航路を短く横切る。航路の右端を通っている限り安心だ。
 瀬戸大橋をくぐる。潮に乗り快適だ。10時には流れが逆となるのでできるだけ稼いでおきたい。

 大槌島と小槌島の間を抜ける頃から,ぐんと速度が落ちる。4ノットを切り,3ノットを切り,ずっと2ノットの我慢の走りを続ける。

 男木島の集落がはっきりと見えてきた。防波堤に沿って舵を右に切る。港口で連絡船の出港を待ち,ゆっくりとターンする。長い岸壁には1艇も停まっていない。奥にはポンツーンがあるが日帰り観光用のものだと分かった。予定通り岸壁に舫を取る。
 これからの潮位の変化は舫の長さを調節せずにすみそうだ。
 続けて,『Bonanza』,『Blue Lagoon』と入港。無事に着岸できたことが何よりも嬉しい。

 ビールで乾杯した後,1軒だけあるJA香川の店に食材を探しに行く。店は16時まで,暑いヨットに野菜を置いておくのも気が引ける。取り置きだけお願いして店を出た。ビールはそばのお好み焼き屋で買うしかないようだ。

 一通り点検をした後は自由に過ごした。
『Blue Lagoon』さんは灯台見学に出かける。この暑い中,そのバイタリティは見習うべきだ。僕は相変わらずビールを片時も離せないでいる。「水夫の朝食はビール」だと『Blue Lagoon』さんから教わってからは飲み放題の自分だ。15時半頃,兄ちゃんがやってくる。あの服はJAの制服だろう。もう店を閉めるので呼びに来てくれたらしい。財布を持って預かってもらっていた食材を取りに行く。それに『Bonanza』君が肉を追加購入した。今日のメニューは味噌鍋だろうな。
 ちょうど『Blue Lagoon』さんが灯台への散歩から帰ってきた。3人でお好み焼きに行く。
 おばちゃんが昔の話を聞かせてくれる。
 すると『Blue Lagoon』さんが
「是非,灯台には行ってくるべきだ。」
と僕たちをけしかける。
 生中2杯で店を後にして灯台に向かった。『Blue Lagoon』さんは自分の足で15分だったから,僕の足ならもっと速いと言っているが,勿論これはランナーの言葉だから信用してはいけない。

 集落のきつい小道を抜けると道はほぼコンターに続いている。
 灯台の敷地には門があったが,開けることができる。反対側にはキャンプサイトがあるらしい。トイレのドアも開放されている。資料館を見学してからトイレに行くと,シャワールームがあった。今日は汗臭いまま寝ないと行けないかなと思っていたが,これですっきりした。石鹸を持ってくるべきだった。

 少し涼しくなってきた。夕方の風を感じながら『Blue Lagoon』艇で夕食だ。材料は貧弱だが酒だけはたんまりある。飲むにつれ,酔うにつれ,旅の楽しさが広がってきた。

白石島新港発 05:05
男木港着   12:25

航海灯を点けて出た。
白石島新港から佐柳島,高見島の東側を通って本船航路に入った。

ずっとオーニングなしで過ごしてきた『Bonanza』艇だが,暑さに耐えかねて笠岡で購入した農業用の遮光ネットを張った。
昼間は快適でしょうね。
丸亀沖。

先に入った僕は,後から来る僚艇の様子をうかがう。
男木島への西面からのアプローチは浅瀬があるので要注意だ。

『Blue Lagoon』艇がなんとか代替品でここまでこれたことを祝ってビール。

お好み焼き屋でもビール。
この後,灯台を見に行くが,昔の話をこの店のおばちゃんがしてくれた。

「おいら岬の…」の最後の就任地がここだそうです。ネットで観た映画だ。
灯台守の仕事も今はない。

こんな具合に係留用の環が付いているとロープが岸壁と擦れないので非常にいい。

『Blue Lagoon』艇で味噌鍋をつついていると夕焼けが広がっていた。しばし見とれる。
明日も晴れ。

Tuesday, August 09, 2016

再び笠岡に出向く

 朝のフェリーに間に合うために早起きする必要はない。しかも,『さんちゃん』が貸してくれた軽トラという強い味方が僕らにはいる。
 フェリーの発着場の駐車場に車を停める。言われたとおりに鍵はかけない。窓も開けたままだ。島の中でいつ車が必要となるかもしれないのでこうしておくのだ。

 昨日と同じようにホームセンターへ歩いて行く。部品の調達を済ませてモールに戻った。少し時間が早いが昼食だ。
 僕は昨日と同じようにビールとスパークリングウォーターの買いだめをする。今日は心置きなく買える。帰りの船がモールのそばから出ていることが分かったからだ。

 島への観光客で満員になった連絡船は30分で僕たちを白石島へ運ぶ。船を下りるとそこには頼りになる軽トラが,出た時と同じ位置に駐車していた。

 自艇の片付けをしていると,もう作業が始まっていた。あわてて『Blue Lagoon』艇に乗り移り,穴あけを手伝う。3人でやれば会話も進む。
 穴の拡張が終わったらフランジにセットしにいく。6本のうち1本だけうまくネジが咬み合わない。これでよしと『Blue Lagoon』さんが決断する。
 エンジンをかける。アイドリング状態でも振動があり,音がかなり大きい。港内を少し走らせる。より静かな回転域を見つけたところで今回の調整が終わった。これでなんとか自力で帰ることができそうだ。少し不安が残るので,弓削行きは中止にした。12日に三本松で合流の予定があるが,それには余裕で間に合いそうだ。明日は男木島へ向かうことにした。

 軽トラに乗って『さんちゃん』へ。本当にありがとうございます。
 風呂に入って,生ビールをやれば,同じ港に何日か停泊してのんびりするのが本当のクルージングではないかなと思ってきた。先にすすめるだけでは脳がない。時間を気にせずにゆったり行くのがヨットには似合っているなあ。

⛵白石島新港

線路は挟んで反対側には大型商業施設がある。
シャッター通りかと思われたが,いきのいい魚を扱っているお店や菓子問屋は健在だった。

商店街のアーケードを抜けたところに船具屋があった。
『Blue Lagoon』さんが声をかけてみたが中から返事がなかった。

昨日は笠岡ラーメンを食べたので,今日は福山ラーメンにした。
鶏チャーシューと豚チャーシューとの違いらしい。
まじめにビールはなし。

より径の太いドリルがなかったので,リーマーを使って拡張作業をすることにした。
ラーメン屋で再チェック。なんとかうまくいきそうです。

軽トラのお世話になって,「峠」越えもなんのその。
いやはや本当に助かりました。

作業が終わった。
『Bonanza』君がこの時のために笠岡のモールで買っておいたスパークリングワインを差し出す。祝杯だ!
運転手の僕は形だけ。

軽トラを返しに行く。風呂に入って,さらに祝杯をあげた。
明日は朝日に向かってヨットを進める。

Monday, August 08, 2016

笠岡で買い物

 昨日,『Wiz of Oz』さんから『Blue Lagoon』さんへ送られきたリンクをたどると,見事に問題としているカップリングそのものだった。電話で聞いただけで部品を特定し,的確なアドバイスを送ってくるその力にあらためて驚かされる。さらに工作の仕方,調達の部品など細かくアドバイスを送ってくれた。
 今日は,その工作をするために笠岡のホームセンターに行くことにしている。『Blue Lagoon』さんはせっかくクルージングに来たのにと申し訳無さそうにしているが,何かあった時のために船団で来ているのだから,そんな心配は無用だ。

 標高10mの峠を越えて,港に向かう。待合所があって乗船切符を売っているはずだが…誰もいない。公衆トイレがあった。用を足している間に,『Blue Lagoon』さんが目の前のフェリーの出港時刻を尋ねてきていた。どうやらこのフェリーの方が早く出るらしい。
 客室は効き過ぎるほどの冷房で長居すると身震いしてくる。デッキに出て移りゆく景色を眺めると高松に住んでいた頃を思い出した。大阪に行くには関西汽船や加藤汽船の『くれない丸』や『ぐれいす丸』で,両艇がすれ違う時は船内アナウンスがあった。

 港から歩いて10分でスーパーマーケットに着く。そこからさらに10分ほどでホームセンターが見つかった。ちょうど開店の9時を過ぎた頃だった。
『Blue Lagoon』さんの工作を手伝う合間に,各自必要な物を買い足した。僕は1昨日のビール切れが効いていて,今日はたくさん買い込もうと思っている。カートをヨットに積んだまま持ってこなかったことを後悔していたが,ここで調達できて,やや満足だ。

 2時間強かけてなんとか代替部品の工作が終わった。来る途中にあったスーパーマーケットに戻る。ちょうど昼飯時だ。瓶ビールに餃子,名物らしい笠岡ラーメン。
 ビール,スパークリングウォーターをしこたま買い込み,カートは満載。コロコロ引くもの大変だなあと思っていたところにちょうどタクシーが来た。迷わず乗る。

 港からはいい便の船がない。目の前のフェリーは北木島経由で白石島に着くが,それでも白石島にはこのフェリーが一番早く着くようだ。北木島で2港あってそれぞれの港につくが,2つ目の港に着いた後もう一度最初に着いた港に着けるから都合3度も着岸したわけだ。2時間ばかりの船旅でようやく白石島に戻ってきた。

 カートを引いていると,島の人が
「どちらへ?」
と聞いてくる。観光客は下りてから西の海岸に行くはずなのに,どう見ても島の人間に見えない僕たちが東に向かっていたから注意してくれたらしい。ご親切ありがとうございます。

 たかだか10mの峠が少々恨めしい。汗をかいて,ヨットに着く。『Blue Lagoon』さんは作業に差し支えるからとビールを飲まない。僕は少し遠慮しながら1本飲み干す。

『Blue Lagoon』艇のバースに潜り込み,作業の手伝いをする。なかなか中心のボルトが抜けない。フランジのボルトはエンジンのギアボックスとの間隔が狭すぎて,シャフトのボルトを緩めてフランジを外さないと抜けないのだ。フランジのボルトを断ち切る?またまた『Wiz of Oz』さんから連絡が入る。あわてて笠岡のホームセンターに電話で部品の在庫を確認する。なんと!必要十分な6本だけロングナットがあった。これで,本日の作業はめどがついた。明日はまた笠岡に行こう。

 夕食の焼き肉を始めた。ビールをしこたま飲んでいい気分になってきた頃,
「直ったか?」
と『さんちゃん』の親父さんがやってきた。
「明日も笠岡に部品調達ですわ。」
と言うと,
「軽トラ貸したるから使い。」
「ありがとうございます。」

 さて,明日は明日の風が吹く。

⛵白石島新港

新港と旧港の間には小さな峠がある。たくさん花が咲いていた。

真正面から乗り,左の階段をあがると冷房の効きすぎた客室がある。ちょっとした船の移動を楽しめるのが瀬戸内海のよさかもしれない。

白石島を後ろに見る。明日もう一度乗ることになるとは誰もこの時は思っていない。

かなり河口を遡って笠岡港に着く。干満の差を見るとなかなか自由にヨットで行き来する気にはなれない。

先ほどすれ違ったフェリーにはコンクリートミキサー車が乗っていた。次にすれ違ったフェリーにはパッカー車が乗っている。その次にすれ違ったこのフェリーにも。離島に沢山の人が住んでいることをあらためて想起させられた。

ホームセンターで工作中の『Blue Lagoon』さん。カップリングの代わりにタモで作製しています。ヨットの中でチャッチャッと図面をひく作業は僕には到底できない。ホームセンターのお兄さんにも下作業をしていただき助かりました。

スーパーで買い出しをして,夕食はヨットで焼き肉を食べた。満腹。

Sunday, August 07, 2016

白石島はいいところ 白石島新港

 暑い夜だった。風はそよとも吹かない。蚊取り線香は4セットも用意したので,それなりに効果を発揮している。実は蚊の攻撃は夜中よりは蚊取り線香が消えてしまう明け方に多い。いまさら新しいのん点けるのんもなぁと眠い頭で考えていると,プーンとやってくる。
 各艇で各自朝食を摂って予定通りに出港した。

 今日は瀬戸大橋をくぐる。瀬戸内の島を見ながらのクルージンが楽しいであろうことは予想されるが,昨日は買い出しもできなかったので大好きなスパークリングウォーターの補充ができていないのが寂しい。
 冷蔵庫でキンキンに冷やした2Lのペットボトルの水をまだ半分以上氷が解けないで残っているクーラーボックスに移した。やや満足。

 8時過ぎにようやく潮流に乗り艇速6ノットを越えた。瀬戸内のクルージングはエンジンが主体。セーリングで終止するときは目的地を設定しないことだ。

 小豆島の北を走っている所で,『Blue Lagoon』さんからVHFコール。航路予定を聞かれたので,豊島・井島間を南下して,直島・柏島間を西に通過後,久須美鼻を目指してそのまま西進,瀬戸大橋をくぐり,六口島北を通過して水島灘を突っ切って白石島と連絡する。瀬戸大橋を越えてからは水島からの本船に要注意だ。

 前方の島を目指してひたすら進む。近づくと見覚えのある島の風景に出会う。縦島を北から回り(『Blue Lagoon』艇と『Bonanza』艇は左から),白石島の新港に入る。ここは南からのアプローチはご法度で東から真横に入らないとオン・ザ・ロックしてしまう。2010年に北木島に立ち寄った時に(ゆうこうマリンの)コリンさんに絵入りで教えてもらった。
 原田さんに連絡を入れる。空いてればどこに停めてもいいらしい。

 西端の長いポンツーンの北側にヨットが停泊している。詰めれば僕の艇が入りそうだ。ハッチが開いているのでどうやら人はいるらしい。近づいて声をかけるが応答なし。ギリギリのスペースに停めるのも無粋だ。ポンツーンに寄り添うように艇を入れたが,バックして離れる。
『Blue Lagoon』艇が入港してきて,再度声をかけるがやはり応答なし。アスターンをかけた時に異音が聞こえた。その後,ペラが回らない。ロープが絡んだ?取り敢えず自艇を中央のポンツーンに着け,様子を聞く。『Bonanza』艇からロープを投げるように支持するが,『Blue Lagoon』さんは,やおら櫂を手に持ち,漕ぎ出した。艇は何事もなかったかのように僕のヨットに横付けされた!素晴らしい!!
 そうこうしていると先ほどのヨットの主が現れた。僕の停めているポンツーンのボートを移動すればもう1艇停められるから動かせばと言ってくる。船主の留守の間に余計なことをすると,あとでややこしい。そんな助言をするんなら,あんたが前に詰めればもう1艇停められるのに…話だけを丁重に聞いておいた。
 ボートの主が白石島でのレジャーを終えたのか出ていった。
『Blue Lagoon』艇を横抱きしたまま,僕の艇をそこに移動する。『Bonanza』艇はさきほど僕の停めていたところに舫を取って終了。
 一息ついてから,『Blue Lagoon』艇の不具合の原因を確かめる。ニュートラルから前進に入れると異音,後進では異音はなぜかしない。
 電話をかけアドバイスを得る。こんなところに『Blue Lagoon』さんの人脈が生きている。原因はエンジンとシャフトをつなぐカップリングの破損だった。カップリングに関しては『Bonanza』君が空調関係の工事をしていた時に何度か同一状のカップリングを扱っていたらしい。「間に何かかまして,ばか穴開けてボルトでつなぐ」と見事に初期対策を言い当てた。
 2~3時間ほどかけていろいろと様子を見るが,部品を買い足す必要があるようだ。泉佐野の『Wiz of Oz』さんのアドバイスが的を得ていて見通しはついた。

 島の反対側の浜で民宿をやっている『さんちゃん』に電話を入れる。軽トラで迎えに来てくれた。
 風呂に生ビール。たまらない贅沢だった。

 明日は鉄工所での工作依頼をしないといけない。笠岡には2軒あるらしい。明日は笠岡に上陸だ。予期せぬ出来事が楽しく感じられた夜だった。

坂越漁港発  06:00
白石島新港着 15:30

エンジン回転2500rpm以下でのんびり行く。それ以上回すとうるさくて楽しみが半減する。『Bonanza』艇は3000rpm,『Blue Lagoon』艇は2700rpmぐらいか。

豊島と井島間を抜ける。潮に乗ってすいすい行く。

直島と柏島間を西に進む。潮流がまるで川のようだ。反対側からヨットが1艇。

瀬戸大橋をくぐる。天気は最高,潮流よし。飲み物が水だけ…白石島に着くまでに清水2Lを3本,計6L飲んでました。

整備が一段落したので,念願の風呂と生中。『さんちゃん』の軽トラで送り迎え。昨日は風呂無し,生ビールなしだっただけに爆発しそうだった。

ビーチに沈む夕日。太陽が沈むが,僕たちの心は昂揚している。