5時に起きる。薄い掛け布団がちょうどぐらいの気温はまだ寝ていたいという気になる。いかんいかんそんなことでは。朝のお勤めがあるじゃないか。トイレは目の前,美しい公衆便所が素晴らしい。使う方もきれいに使用しているのだろうなあ。
『Wiz of Oz』艇長からコーヒーをどうぞと声がかかり,昨夕坊勢から舞い戻ってきた『PENYY LANE』艇長も誘う。ごちそうさまでした。『PENYY LANE』は一昨日もここに停泊していて,昨朝坊勢に向かった。ラーメンだけを食べてUターンしてきたとは驚きだ。また坊勢の手土産まで頂いたので恐縮する。ありがとうございました。
昨日はここに5艇が停泊した。6時過ぎにみなさん出港,ご安航を。
海岸沿いは工業地帯,煙突の煙は昨日と同じように流れている。このままの風位ならセーリングできそうだと期待が高まる。
航路ブイを過ぎてから変針,ぎりぎりの上りで明石海峡を目指した。
気持ちよく進んでいたが,明石海峡が近付くに連れて風が前に回ってきた。航路を横断してからは海峡大橋吹き抜けの風が強く,おまけに真上りとなる。ジブをたたみ,メインだけの機帆走,そんな走りが長く続いた。
海峡を抜けしばらく行くと,少し遊べる風が吹いてきたので帆走に移るが,それも長くは続かなかった。やがて艇速が2ktを切る,毎度まいどの冴えない機帆走で急ぐ。
バツッ!聞き慣れない音が…ピー音,チャージランプが点灯している。キャビンに入りエンジンカバーを開けると…Vベルト(オルタネーター)がぶっつりと切れている。先行する『Wiz of Oz』艇長に連絡をし,交換する旨を伝えておく。関空島手前7NM,本船も通過するし,漁船も多い。作業中は彼がずっと見守っていてくれたので助かった。お世話おかけしました,ありがとうございます。
機帆走とは言えない冴えない機走だが,空の色だけは美しい。
なんとか帰港できた,やれやれです。
交換してから約300時間ほど,ベルトの側面はほとんど擦れていない。いきなりブツッと切れたのはなぜだろう?
高砂堀川湊発 06:10
佐野漁港着 14:40(36.9NM)