Sunday, April 06, 2014

復路はずっと帆走で

ゴーゴーと唸る風の音も寝袋に入ってしまうと気にならない。ジブハリのテンションが甘かったのでマストと干渉して少々うるさい。冷たい雨は止みそうにない。

漁船の引き波で目が覚めたのは5時前。ラジオをかけるが都合よく天気予報をやっているわけはない。もう一度寝よう。

飯を炊いて,賞味期限があとひと月に迫っている五目ちらし寿司の元をまぶして食べた。桜の花びらをトッピングする予定だったのだが,雨の中取りに行く気もしない。インスタントの赤だしは何年か前の冬山の残りの食料だ。わずかに味噌の香りがする。
少しだけお湯を沸かして食器に移し,箸で汚れをこそげ取る。このお湯を使いまわして,同様の作業をし,全ての食器を洗った気になっているのは冬山生活の癖が抜け切らないところだ。大きく違うのは,その洗い終わった湯を飲み干さないことだけで,山ではそれをやる。カレーやスープの味がするなまぬるいお湯を飲んだら食事が終わったことになる。


食ったら糞。漁船がたくさん出ている。

加太瀬戸の転流には早いが,午後からの天気が気になるので船を出す。風向きは思っていたとおりで,メインを揚げ,ジブを上げると,エンジンオフ。静かなセーリングが始まった。


やな雲だね。

4ノットから5ノット,徐々に艇速が増してきた。ずっと5ノット後半で乗れたから最高だ。気にしていた天気だが,ヨットの上だけ青空がある。一度だけ2,3滴の雨を感じたがなんとかもちこたえた。
最高に不味いワインを何とか飲めないものかと炭酸で割ってみたがやっぱりダメだ。
あったあった!まだ,酎ハイが残っていた。


ここを抜けると,ホームポート。

なんだか怪しげな雰囲気になってきた。残り1.5マイル,まだ帆走で行けるがエンジンオンにして帰港を急いだ。
片付けをしていると冷たい雨が降ってきた。
岸壁でお茶していたらしい『風来坊』さん,『浮浪雲』さんから電話が入った。僕の入港するのを見ていたが,雨が降ってきそうなので,敷地内の店に移動してコーヒータイムらしい。
やっぱり逃げ足は大事ですね。

加太港発  07:10
佐野漁港着 10:45

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