Wednesday, May 08, 2019

達人に出会う

 ヨットで片付けをしていると自転車に乗った人が訪ねてきた。水野さんだった。小笠原ヨットクラブの菅野さんが連絡しておいてくれたのだろう。ありがたいことです。
 舵の様子を伝えるが,聞いてもあんまり驚いた様子でもなく,いつでも修理できるような感じだった。直ぐに作業にかかるのかなと思っていたら,
「洞窟を見にくる?」
 水野さんは洞窟で52ftのカタマランを製作中とのことで,見学させてもらった。
 舵の修理ぐらいきっとすぐに終わるのだろう。余裕を感じた。

⛵小笠原父島二見漁港

双胴を縦に並べて製作中。
次に取り掛かるのは上部構造物だそうです。

ぶつかって損傷しても交換のできるバウ↓。

こんなふうに外れるようになっている。

洞窟見学が終わってから港に帰って作業を開始。
海中に落とす前に,引き上げ用のロープをセットしておく。

このままでは抜けない。コクピットロッカーにもぐりこんで裏側のナットを緩める。そのまえにこのボルトが固着してさっぱり回らない。水野さんが軽トラで工具を取りに戻る。足りない道具は何度も車を出して,どこからか調達してくる。
ショックドライバーでようやくボルトが動き出した。

ガイドロープを付けて静かに落とし込むが,落ちない。浮力がそうとうある。押し込むためには長い棒が必要なので,これまた水野さんが軽トラを走らせて調達してくる。

二人で力を込めて押し込むと,ようやく海中にラダーシャフトが見えてきた。

沈んだら回収が大変だなと思っていた。あにはからんや,プカリと浮いてきた。ということは洋上でも(舵が海中に)落ちることはない…んだ。

お世話になった予備ティラー(父島が見えたところでバキッとヒビが入ってしまった)に感謝を込めて…


この角度以外にも捻りが入っていて3次元的に曲がっている。
曲がったせいで舵がハルに食い込んでいた。

引き揚げ用ガイドロープ。

岸壁のコンクリートを利用して,木材で調節し,油圧ジャッキで修正を加えていく。

さらに修正を加えるために,建材屋さんの土地とユンボを借りて作業する。
水野さんは誰とでも知り合いらしく,島では知らない人がいないくらいの有名人だろう。

方向を変えてやる。

まだまだやるが,水野さん曰く,「ここまで強固なのは初めてだ。」とのこと。これ以上するとラダーそのものが破損してくるかもしれない。そうなると積層から始まってかなり長期滞在が必要になる…これでよしとした。水野さんにしたら少し不本意でここで完璧に修正したかったようだ。

曲がりは完全には取れていないので,念のためにスターンに食い込んでいた部分を削っておく。

港に帰り,ラダーを取り付ける。浮力が大きく,石・アンカー2組・ステンレスチェーン・ドブ漬けチェーンをセットして,ようやく沈みだした。ガイドロープでラダーシャフトに引き寄せ,左右から引いたロープで調整しながら,ようやくそいつが元の鞘に戻ってきた。
 ブラボー!
 そこまで見届けると,水野さんは帰っていった。
 かっこよろしい!
 隣に停めている『Green Sailing』さんにもずっと手伝っていただきました。お世話になりました。ありがとうございます。
 奇しくも今日は僕の誕生日。いい日になった。

3 comments:

  1. 僕も早いうちにミズノさんと山田さんに会いに行きたい

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  2. そうなんです。
    遠洋取って,期限を決めずに小笠原に行きたい。12月〜3月かなあ。
    それまでに行くなら,一番安い船室で『おがさわら丸』で往復かな。

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  3. そう、僕もどこか1週間休める時に小笠原に行きたいと思う次第です。
    寝泊まりは洞窟前かな(笑)
    テントあるし!

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