フェンダー越しに船体が岸壁に擦れることもなく静かな夜だった。風は全く期待できないし,しばらくは明石の東流れの影響もあり艇速は期待できない。のんびり行こう。
何度かジブを出したりしまったり,タックもするが直ぐにバタバタしてくる。海面はますます滑らかで,それでも小皺がちょっと先に見えると期待をしてしまうのだが,そこまで行っても虚しいいほどのヨタヨタセールだ。
やがて潮の影響からも逃れコンスタントに5kt後半が出ている。このまま機走なら『吉本食品』営業終了時刻の14時には余裕で間に合う。遅めの昼飯は美味いうどんへの思いだけでエンジンを回す。
鳴門海峡を吹き抜けてくる風だろうか,先ほどまでとは確かに違う。ジブを出して更なるペースアップを図ろう。いやいや,ひょっとして帆走オンリーで行けるかもしれない。多少艇速は落ちてもかまわない,うどんよりセーリング(と言ってみたかった)。
舫を取ったらうどん屋さんに急ぐ。頭の中は【ぶっかけ】。ええっ,僕たちの前の人でタイミング悪く売り切れだって…しゃあない,マルナカでビールを買い,ヨット飲みに備える。新規開拓の店で食べたおまかせ定食のボリュームに圧倒されて晩飯への思いも揺らぐ。
銭湯は16時から開いているが,飲み屋は18時からだ。のんびりしていると『BEE LINE』さんがやってきた。おひさしぶりです,こんにちは。聞けばどの店も開店時刻は早く,店じまいも早いらしい。試しに店に電話を入れると,もう開いているらしい。とっとと風呂に行こう。
熱い湯につかり気分よく店へと急ぐ頃には昼の満腹感なんてすっかり忘れてしまっていてもう飲みモード満開だ。『呉割安』に急ごう。
昨年来た時にビリーホリディの話をしていたら,なんとアルバムを用意しておいてくれた。早速聴きながらビールをやる。あれだけ腹一杯だと言っていたのに日本酒に進んだ頃には,〆に何ラーメンを食べようかと迷っている。
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