セールが裂けたよ

　ラダーに薄っすらと藻，ちょい乗りばかりだからねえ。帆走にこだわらないでとにかくエンジン（試運転）を回そう，おあつらえ向きに関空島アメダスの風数値は煙突にアヒル止まり。

　港口出てすぐにジブを展開できるほど風向はいい。フルセールのまま2,500rpmで機帆走を続ける。おやおや，逆ジブになっているじゃないか…海面はさざ波すらたっていない。

　なんだなんだ，赤潮が出ている。

　長い帯がずっと続いている。

　途中の潮目はゴミの浮遊がすごい。ニュートラルに入れると突然エンジンが停まった。ピー音が鳴り響く。クラッチを切りかけ直す。アイドリング回転が低すぎるのが原因だろうか。一旦帰ろうとセールを下ろす。セールパックからはみ出した部分があるのでリーチをつまんだらシャリッと嫌な音が聞こえた…セールが裂けている。

　ショットを用意して待っていると『Wiz of Oz』艇長からメールが入る。

　なかなかよろしいね。

　片付けを終えてから，セールを取り外す。グルーブの蓋はリベットをはつらないと外せない。切粉は丁寧に拾っておかないと点々と赤錆が出る。

　50cm以上とは予想以上に裂けている。貼って済まそうか，セール生地を充てて縫おうかとも思ったが，外注したほうがよさそうだ。たまたまここが裂けただけで他の箇所も相当劣化しているか…2019年3月に新調した外洋グレードのゴツいやつなんだがねえ，こんなに弱いのか。

　セールの収納を『Wiz of Oz』，『Bonanza II』両艇長が手伝ってくれる。ありがとうございます。

　出ようと思ったらエンジン片肺，出ようと思ったらセールが裂ける，航海中にそうなるよりはよっぽどついていると思わないといけないね。