暗いうちから漁船のエンジン音が聞こえる。海況は穏やかだと言う証だ。
龍飛崎まで残り1.5NM,順調にここまできたからスゥッと周れるだろう…
あれれ,なんか変やで。くるくる回っとるやんか。ここは国際航路,かの国対策に電子コンパス狂わす電波でも出しとるんやろかとアホな考えまで浮かんでしまう。コースアップを止めてノースアップにするとよく分かる。明らかに元来た方向に押されている。経度がどんどん増えていく。こんなおバカな状態を3時間強続けている。先ほどまで近くを走っていた『東日流』も『オリオン』も前方に小さく見えるが,AISで確認するとやっぱり僕同様に流されているではないか…ちょっと安心。両ベテランヨットマンに大阪湾なんちゃってヨット乗りは着いて行くしかないが勇気を出して聞いてみる。
「まだ,行かはりますか?吉岡(漁港)にしませんか?」
…ちょいの間の無言が怖いがなんとか同意を得て約9NM先を目指すことになった。あ〜よかった。またまた北海道に向かうわけだが,そこからも甘くない。船首を少し欲張って西に向け過ぎるととたちまち逆行する。沿岸の反流を期待して目的地より東を辛抱強く目指す。港口手前3NMぐらいからようやく反流の恩恵を受けてきた。
着いてよかったわあ。エンジンチェックしたら風呂や,風呂に行くんや。
ところがお役人が登場。ここは夕方に漁船が帰ってくるのであっちに着けなおして欲しいとな。その入港してくる漁船の関係者からOKもらってんねんけどなあと思いつつも表向きは,はいはい,港ではトラブルは起こしませんと移動を承諾する。
風呂は最高だった。昨日入っていないこともあるが,雨で冷えた身体にはまさしくいい湯だな。
三厩を出るときも1羽やってきた。いってらっしゃいの挨拶だと思っている。
ここ吉岡でもやってきた。ようこその挨拶だと思っている。
三厩港発 05:00
吉岡漁港着 12:30(23.22NM)
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